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情けは人の為ならず

引き寄せて.結びたる.我れ
仮りものなりて…
我れのものとぞ.何処に在らん
解くれば.もとの野原なりせば…

最近.他人に優しくしたり.親切をする事は自己犠牲であり.その上.見返りを求めないという考えも虚しく.自分が損するだけ…というような論者の記事に触れ.情けなくも.哀しくも感じたのですが…しかしそれが今の世の多くの人達が共有する.自分本位.自分勝手.自己中心的.自分の都合に.捉われ.拘り.執着する余り.自我意識に誑かされて.却って悩み.苦しみ.不満などを増大させ.心を貧しくさせてゆくという世相を反映しているのではないでしょうか…
また随分前にも書いた記憶がありますが.
この[情けは人の為ならず]という.仏教の因果応報の教えも死語と成りつつあるようで.最今では.[人に情けを掛けるのは.その人の為にならない]という間違った解釈をしている方が多く見受けられます…
[情けは人の為ならず]とは ... 人に親切にすれば、その相手の為になるだけではなく.やがては巡り.巡って.よい報い(果報)となって自分に戻ってくるものだ…という因果律(縁起)を説いているのですが…そこには良く調御された心身と.人格.器量.境地.智慧などの[存在の次元]が関わっているのであり.それは人間の持つ無明の闇を深めさせ.心を依り盲目的にさせて.迷わせ.惑わせ.魅入らせ.欲望の炎を煽り.苦や不満や怒りなどを造り出す[所有の次元]という.[存在の次元]に相対する煩悩(下記参照)から.目覚め.乗り越え.解き放たれて行くことにより.育成されてゆくものでもあるのですから…

[世に与える者と貰う者があれば.汎ゆる功徳は与える者に果報として現れる…
この理法により如来への施与は大いなる功徳が果報として現れる…]

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