子どもには学ぶ力が備わっている

東京シューレは、子どもには自ら育ち・成長する力がもともと備わっているという子ども観を持っている。子どもは学校に行かなくても、生活の全てを通して学びます。学ぶことを学校の教科学習のようにせまく捉える必要はないのだと今は思う。

ある日、家を片付けている時、ほぼ新品の永久に日の目を浴びることのない学校用品が家のスペースを占拠していることに悩んでいました。ちまたではメルカリというものが流行っているらしい。僕は長男に声をかけた。「いらないものメルカリで売れたら、自分のお小遣いにしていいよ！」長男はメルカリをiPhoneにインストールし使い方を確認し始める。そして、せっせと写真をとって出品し始めた。ランドセル、教科書、鍵盤ハーモニカ、文房具、将棋の本、クリスマスや誕生日プレゼントで使わなくなったモノ、落として破壊されたタブレットなどなど。こんなの売れるんだというモノまで意外と売れる。

成功体験を得た長男は、祖父母の家に行くと要らないモノがないか物色するようになった。使用済みの切手とかテレフォンカードをゲットし、ほとんど売り切った。その売った金額で任天堂Switchをメルカリで買ってたなぁ。

メルカリを通してモノを売る行為は生活の中での学びになる。購入者とトラブルにならないように、商品の全体だけでなく、傷の部分を撮影しアップしたり、交渉相手へのコメントや返事の書き方、利益と売れやすさを考えた価格設定、商品の重さや大きさに応じてどこが一番配送料が安いのか、配送先の宛名書き、商品の梱包方法。モノを売るという一連のプロセスを通して学べることは多い。

かくして不用品は処分され、長男の財布は潤い、お金を稼ぐという体験を通して、欲しいモノは自分で稼いで買うという自立心が芽生えた。子どもには学ぶ力が備わっている。

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