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「人生はプラスマイナスゼロだって言うやつは、決まってプラスのやつなんだ」
人生はプラスマイナスゼロだって言うやつは、
決まってプラスのやつなんだ
西尾維新(小説家、漫画原作者、脚本家)
言われてみればその通りかもしれない。
最近は意識したことなかったけど、以前は私もこの考えを支持していたところがある。
10代から20代の頃は人と比べて劣等感を持つことが多くて、「きっと今はマイナスが多い時期なんだ。これからプラスが増えていくはず。だって人生はプラスマイナスゼロになるはずなんだから!」と思っていた。
そう信じたかった。
20代後半から30代中盤はプラスが多かった。
「やっぱり私は遅咲きの人生だったんだ。ようやくプラスに転じてきた。よかった、よかった。」
でも40代に差しかかる頃にはマイナスとは言わないけど、プラスの時期は通り過ぎたなという感覚がある。
プラスとかマイナスという評価をするのに飽きたのか、だんだんこの言葉を意識しなくなった。
私はマイナスの時に、明るい未来が来るのを期待して「人生はプラスマイナスゼロだ」と使っていたけど、中には基本がプラスで、たまにマイナスのことがあると「人生はプラスマイナスゼロだ。こんなマイナスなことは今だけだ。」という意味で使っている人もいると思う。
人それぞれの人生だから、どういうスタンスでこの言葉を使うかは自由だ。
ただ、何もかも思うようにいかなくて悩んでいる人が、何もかも順風満帆にいっているから「人生はプラスマイナスゼロだよ。大丈夫、今はしんどいかもしれないけど、これから、これから。いいことしか待ってないよ。」とあっけらかんと言われると、場合によってはとても傷つく。
「あぁ、この人には理解できないんだな」とショックを受ける。
プラスの人も励ますつもりで声をかけて、傷つけるつもりなんてなくても、その無邪気さにマイナスの人は傷ついてしまうことがある。
恵まれている人もいれば、
恵まれていない人もいる。
運の良い人がいれば、
運の悪い人はいる。
自己肯定感の高い人もいれば、
自己肯定感の低い人もいる。
楽観主義の人もいれば、
悲観主義の人もいる。
自分優先の人もいれば、
他人優先でしか考えられない人もいる。
要領の良い人もいれば、
要領の悪い人もいる。
みんな平等だとかいくら綺麗事を言っても、本人の努力だけではどうしようもない格差がある。
どちらかだけが悪いわけではない。
でも、どちらかというと、それぞれ前者の人は知らずに後者の人にダメージを与えていることもあるから、気をつけた方がいいかもしれない。
私は後者の方が当てはまりやすいと思うけど、それでも知らないうちに誰かを傷つけている可能性はある。
相手の反応をちゃんと見て声をかけてあげないとな。
そして、やっぱりマイナスの時は「人生はプラスマイナスゼロ」だと思いたい気持ちも捨てきれない。
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