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短期的な記憶の定着:二〇二一年八月一二日

 一日単位の日記をはじめようと思う。今日は楽しいことをしたから、その記録です。

 今日は朝の九時半に起きた。朝食にチーズトーストを食べた。「とろけるチーズ」をまんべんなく散らし、マヨネーズをかける。両面を二分焼いたら、上面だけに切り替えてさらに一、二分焼く。チーズがぷくぷくとしてチーズの美味しさが上乗せされる
(食べ物のことを仔細に描写すると日記になる)(「上増しされる」かと思ってた)
 すっぱいキウイも食べた。 

 シャツにアイロンをかけてシャワーを浴びた。ひとと会う予定があるので、髭を丁寧に剃った。T字カミソリの刃に備えついてるローションのねばねばぬるぬる感は朝にそぐわない。ねばねばぬるぬるは夜の雰囲気にふさわしい。

 外出の準備を終えて、チョコデニッシュ三個で腹を満たした。そしてBlutoothのイヤホンが充電30%しかないまま、家を出て大学へ向かった。不安になりながらザ・ルーツを聞いた。

 図書館。本を三冊返却して六冊借りた。借りた本を紹介するよ。
 大正天皇についての本。私は天皇制に興味がある。みんな天皇の話をしないので逆張りしたい。みんなはこの国には天皇がいることを知っているのか? 君の彼氏・彼女が天皇制についてどう考えているか知っているのか?  今の私の意見としては、かつて植民地支配を行った国・地域を行幸し、女系天皇を認めた末に廃止すればよろしいのではないか。
 次に、痴漢についての本。先日も「フェミサイド」に対する抗議・非難があった通り、女性を標的とした犯罪行為について知っておかねばならないと思って(本を読むという形で知る、ということが何を示しているかという話なのだが)。第一章まで読んだ。犯罪の成立の要件に被害者の「羞恥心」および、それを感じる能力・感じた事実がもとめられる、という話(大意)がなかなか厳しい。
 次に、二一世紀の日本の批評についての対談本。もう読み終えた。予想はしていたが、二〇一一年以降のインターネット上でのリベラルの振る舞いに厳しい評価が下されていた。
 次に、近現代の日本哲学史の新書。先週、途中まで読んだやつを借りてきた。内容をほとんど覚えていない。京都学派がどんなもんなのか知らないので、それを知れたらいいなと思って借りました。
 次に、昨年の話題書だったウィトゲンシュタインの入門書。今年中に『哲学探究』を読もうと思って、張り切っている。
 次に、デリダの『死を与える』を借りた。正直読むか(読めるか)分からない。テクストを読もう、という気はあるのだ。

 図書館を去る前に、雑誌であるために貸出禁止の『文學界』のエッセイと対談をガーガーと印刷した。一二〇円くらいした。
 私は対談記事を読むのが好き。かけあいのビミョーなユーモアが滲んでいる文面を読んで、その滲みを見て「へへっ」と薄笑いを浮かべるのが好き。

 大学をあとにし、電車に乗って次の目的地へ。その前に乗換駅で降りて本屋に立ち寄った。品田遊(ダ・ヴィンチ・恐山)の反出生主義本をぱらぱらと見た。同内容のnote記事を購入済なので購入は見送っている。あとになって買うかもしれない。それと中上健次の小説もぱらぱらと見た。買おうと思ったが、その時は財布からお札を減らしたくなかったのでこちらも買わずに退店した。

 次の目的地、某・ファミレスに到着。改札を出るとぽつぽつと雨が降り始めていた。駅前の商業施設で高校の同窓生と待ち合わせ。少し遅れるというので、なかにある書店で暇をつぶした。新書の棚がやけに充実していたが、やはり財布からお札を減らしたくなかったので何も買わなかった。店の前ではDVDとCDが安売りされていた。映画のクラシックが低画質とはいえ五〇〇円とかで売られているので、いつも買うか迷う。ワゴンに並ぶシェーンや原節子の顔を見るたびに、西部劇とか、小津安二郎とか見ておいたほうがいいんだろうな、って気持ちにさせられる。財布からお札を減らしたくなかったので何も買いませんでした。

 友人が到着したので某・ファミレスに入店。二年ぶりに会ったら「こんなに背の高い身体を有していたか?」と不思議な気持ちになった。ドリンクバーと、バッファローチーズのピザとほうれん草のソテー、デザートにティラミスとコーヒーゼリーを食べた。
 バッファローチーズのcheesyな(安っぽい、という意味ではなく文字通りチーズの)テイストに、むっとしてしまって、口直しにデザートを頼んだのだがティラミスの甘~いcheesyテイストでさらに むっとしてしまった。

 友人といろいろ、ぽつぽつと会話を交わして楽しかった。

 友人は会計時に唐辛子フレークを買って帰った。名残惜しくも友人と別れ、傘をさして徒歩で家に帰った。帰宅した途端に腹を壊した。手洗いとうがいを済ませた後に、汗をかいて、身体を冷やして、トイレに籠った。最悪の帰宅。

 夕飯に、大阪の叔父から送られてきたなが~いソーセージを食べた。チョコのクーリッシュも食べた。で、ニコニコ生放送で声優の番組を見ながら借りてきた本を読んだ。いい夜の過ごし方だったと思う。

 しかしこの状況下、一度でも人と会食をするとその後に予想以上の不安とストレスが襲ってきたのが今日の発見だ。もしかするとかなりの確率でウイルスに感染しているのではないかという不安がうっすらと漂いながら今日の晩を過ごした。たとえば、セーフセックスをせねばならない理由の第二位では事後の不安の回避ではないかと思うほどに(第一位は女性自身の身体の自由、あるいはそれこそ性感染症予防か)。そして友人にも多少なりとも同じ不安が芽生えているものだろうか。私は先週末に のこのことライブに出かけていたりもするので心配に拍車がかかる。ライブや会食を実行に移す前の能天気さはなんだったんだろうとも思う。

 良きランチの記憶と、少しばかりの後悔を記して、終わりです。

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