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立科WORK TRIP初めての試み!ワーケーションで訪れた企業と住民ワーカーで地域課題について話し合う

こんにちは。立科町在住のテレワーカーのちひろ(44)です。前回に引き続き立科町work tripでお越しになった企業さんの取材ということでお邪魔しています。なんと今回は、お越しになった企業さんが住民ワーカーとのグループディスカッションの場を設けてくださったということで、テレワーク事業拡大に向け、普段一緒に仕事をしているワーカー4人でざっくばらんにお話させてもらいました。

今回の立科work tripでお越しになった企業さんは「日本ユニシス株式会社」さん。その中でも、ソーシャル・インパクト・プロジェクト(以下「SIP」とします。)メンバーの方々にお越しいただきました。年齢・キャリア・職種がばらばらの6人で編成されているとのことですが、完全にフラットな関係のようでお互いをニックネームで呼びあっていて、その様子を見た私たちもほっこりして緊張がほぐれました。余談ですが、これまでワーケーションはリゾートエリアに滞在することが多かったのに対し、今回は里エリアのお宿ということもポイントなんです。「立科町に住んでる人は普段こんな感じ」というのが感覚的に伝わるんじゃないかと思ったんですが、この日は11月だというのに全国的に夏日というイレギュラー (笑)。季節感は感じられませんでしたが「生活に必要な要素が“ぎゅっ”てしてていいですね」(ソーシャルビジネスプロデューサー篠塚さん)というふうにおっしゃっていただき、このコンパクトさがいいんだなぁと再認識したりしました。


ミーティングスタート!

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まずは立科町のテレワーク事業について説明を立科町企画課の上前さんからしてもらった後、受注業務拡大のために活動しているテレワーカー4人から簡単な自己紹介と活動内容について発表。課題に感じていることを共有しました。

立科町でテレワーク事業がスタートした背景には、人口減少や地方の雇用不足の課題があります。立科町も例外なくこの問題に直面していて、町の事業として雇用の機会を確保し、様々な住民が活躍することを目指し推進しているのが立科町のテレワーク事業です。

かくいう私もワーカー登録する時にこの説明を受けました。この事業の主旨を聞いて、働き方の概念が今までとまったく違うことに驚くと同時に、地方であるとか、住環境であるとか、これまで働くために乗り越えなければならないハードルがなくなったことに加えて、“テレワークを通じて社会参加を果たす”という考え方に強く共感したことを覚えています。
現在50名あまりが登録する立科テレワークセンターですが、今後のミッションとしては受注業務の拡大があげられます。ニューノーマルの時代になってテレワークが加速、働き方に変化が起きている今、ビジネスプロセスアウトソーシングに取組んでいる企業さんが増えている状況で、いずれはパイの取り合いで受注業務がなくなってしまう。そこで2020年7月に住民ワーカーが参画するかたちでテレワークでの受注業務拡大のための営業活動をするメンバーが集まりました。それが今回意見交換に参加している4名です。

とはいえ私たちだけではどうにもならないことも多く、これまでの立科町のバックアップ体制に加え、NPO法人JASIPAの白井千晶さんをアドバイザーに迎えて体制を強化しています。。計画立案、具体的なアクション、振り返りなど未経験のことばかりですが、主体性をもって事業にかかわることができるようになってきました。
発足から半年足らずで、営業活動の様々な場面で悩み、課題を感じている私たちに、SIPのみなさんと有意義な意見交換ができました。以下一部抜粋します。

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―Q私たちが自己紹介するときに“テレワーク”を名乗ると相手方に「何をしている人たちなんだろう?」といった具合にイメージがわかりにくいのではないかと感じています。

「企業から見たときのテレワークと、立科町テレワークの事業内容にイメージの乖離があって直感的にBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)のイメージができませんでした。営業活動する上で自分たちをわかりやすく伝える工夫が必要だと思います。また、社会福祉型テレワークもやわらかいものの方が印象に残ると思いました。」(ソーシャルビジネスプロデューサー篠塚さん)

―Q事業の説明を聞いて説明が足りないと感じた部分はありますか?仮にお仕事を依頼するにあたって立科町テレワークに必要な情報は何だと思いますか?

「その地域に仕事を出す理由が明確であることだと思います。例えば依頼したことによって“どれだけ雇用を生んだ”や“地域が活性化した”などの目に見える指標があると企業としてその地域にどれくらい貢献したのかがわかりますよね。」(ソーシャルビジネスプロデューサー髙木さん)

―Q先日オンラインイベントに参加しました。これまで接点のないお客様と接点を持てたのですが、どうしたら具体的なお仕事の相談になるのか考えています。受注拡大につなげるためにはどうしたらいいと思いますか?

「イベントに出展することも一つの方法ですが、既存のお客様から広げていくことも並行して進めていくといいと思います。既存のお客様に対して逆提案するかたちで業務内容の見直しにより業務の幅を広げることも視野に入れてみてはいかがでしょうか。」(ディレクター森さん)

―Q SNSを活用した営業展開をしていますが、発信する話題選びにイマイチ自信がありません。話題性の低いものでもいいのかな、と考えているうちに遅れをとってしまい機会を逃しているような気がします。

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「まずはSNSを通じてどんなふうに見られたいか考えてみてはどうでしょうか。あわせて事業の成り立ちを少しずつ記事にしていき、現在に至るまでのストーリーがまとまればいい感じになると思います。業務に限らず日々の事柄を記事にすることも人物像がイメージ出来ます。」(ディレクター真鍋さん)
この他にもたくさんのご意見を頂きました。本当にありがとうございました!

これまではワーケーションで訪れた企業と地域住民が接点を持つこと自体ゼロだったので、このような意見交換の機会は立科町として初の試みです。けれども今回、地域の課題について一緒に考えそれぞれ意見を交わすことで、ワーケーションを通じて訪れた企業が一歩踏み込んだ存在に感じました。立科町の地域課題に関心を寄せてくれる企業がいると思うと本当に心強いです。
グループディスカッションの中で「結果的にそれがどれくらいの波及効果があったのかが可視化できれば」というコメントがありました。なるほど。ソーシャルビジネスにとって、どのような社会的価値を生み出すかがポイントなんですね。今回のようなワーケーションは、新しいお仕事との出会いの場なのだなと思いながら、お仕事を依頼してくださる企業の立場にたって、私たちの取組みのイメージをどのように形作っていくかを考えていかなければならないと思いました。


テレワークがある程度認知されるようになった背景に新型コロナウイルスの感染拡大が影響しているわけですが、それによってワーケーションのかたちも少しずつ変わってきたように感じます。コロナ禍以前のワーケーションがユニークな福利厚生だったとすれば、ここ最近のケースは企業のCSR(社会的責任)の取組みために訪れるようになった。あるいはワーケーションで関わりを持ったことで地域に変化をもたらすみたいな。そんな距離感や温度の変化を感じました。


今回のグループディスカッションを通して、自分の考えをアウトプットすることに無意識のうちにブレーキをかけていたことに気づきました。SIPのみなさんを見ていると何かにとらわれることなく自然とアイディアが生まれているように見えました。短い時間でしたが皆さんと時間を共有できてよかったです。私たちの課題に向き合い、これまでなかった関係を築けたことが何より嬉しかったです。
ワーケーションを取り巻く環境が変わっていく中で、立科町は地域課題をフィーチャーした受入に挑戦しました。


  1.私たちはこういうことをやりたい。
  2.でも私にはそれを達するための力(能力)が不足している。
  3.だからそれができる企業(あるいは個人)に力を借りたい。


今後はワーケーションを通じて地方に不足しているものを補える仕組みが広がっていけばいいと思いました。

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