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名前の話(蛇足)

わたしの名字はハンコ売り場でまず見つからない程度に珍しい(親戚縁者にも同じ名字はない。近隣で同じ名字を見かけることもあるが親戚縁者ではない)のだが、名前の方はごくありふれている。
昔サービスエリアなんかにあったお名前キーホルダーは売り切れてることが多かったぐらいには、ありふれいる。
中学の時、同じ名前が3人いたし、その中の1人とは漢字も同じだ。
芸能人にもちょこちょこいるし、ドラマや漫画でも見かける。あまりいい役でないことが多いが。
デフォルト名で読んでた夢小説のラストで呼ばれた名前がわたしの名前と同じで思わず悲鳴を上げてマウスを投げたこともある。(夢小説は自己投影したくない派なのだ。なお「夢小説って何?」と思った人はこの部分を見なかったことにしといてほしい。世の中知らないままでいい知識ってあるぞ)
いろいろあるが、この名前自体は漢字も含めて気に入っている。どう気に入っているかは、本名を出すつもりのないこの場では説明できないが。とにかく気に入っている。

気に入っているのだが、現在この名を呼ぶのは親ぐらいである。
最近会ってない親戚とかご近所さんも名前で呼んでくれるけど、名前を呼ばれる機会がないので、やっぱり親ぐらいにしか呼ばれない。
前述のとおり、中学の時は同じ名前が3人いた。
その3人のうち、陽キャというかカースト上位というかなんかまあそういうポジションの子が名前で呼ばれていた。
オタクだが社交性のあるもう一人はフルネームをもじったあだ名で呼ばれていた。
わたしは名字で呼ばれていた。どういう存在だったかお察しである。そのまま高校でも名前で呼ばれることはなかった。(友達はちゃんといたよ!)

社会人になってからは輪をかけて名前を呼ばれることなどなくなってしまった。
なんなら一番呼ばれてる名前はネットでのハンドルネームだ。(今もハンドルネームっていうのかな、ハンドルネームって通じるのかな……)

幼なじみの『珍しい名字+よくある名前』の子が結婚して名字が変わり「よくある名前になっちゃった」と言っていたのは何年前のことだったか。
わたしも結婚したら誰だかわからなくなってしまうな、と思った。
名字でばかり呼ばれてるわたしの場合、幼なじみの比でないほどその他大勢に埋もれてわからなくなることだろう。
今のところ結婚の予定はないんだけど。(今のところというか、結婚に不向きな体質なので結婚する未来が見えなくなって久しい)



蛇足の蛇足。名前に関する、高校時代の友人のエピソードふたつ。

Nちゃんの話。「Nちゃんって名字なんなの?」と訊かれたそうだが、名字以前にそもそもみんなが呼んでる『N』という名前は彼女の本名でなく本名からもじったあだ名である。(前述の同じ名前のうちの1人だ)
フルネーム教えたら驚かれたらしい。そのあだ名、普通にありそうな名前だもんね……

Aちゃんの話。「A先輩の名字ってなんていうんですか?」と、後輩に訊かれたBちゃん。Bちゃんが「A、A〜」と日頃から名前を呼んでいるから、じゃあ名字はなんなんだろうと思ったようだ。……Bちゃんが呼んでる「A」っての、名字なんだよな、めちゃくちゃ名前っぽいけど。というオチ。ちゃんとオチになってるか?これ。

奇特なお方向け