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もう今じゃない

わたしの元を通り過ぎて行った人たちは
わたしといて癒されると言っていた。
わたしになど癒されている場合ではなくて
癒されなければいけないその
原因を見なさいよと
時が来たら手を離して
何もなかったみたいになる。

わたしの言葉や
わたしというものは
そんな箸休めのようなものだった。
元気になったら行ってらっしゃい。

何回この儀式を続けるんだろう。

そんなふうに思っていた
やっと冬が明けたのかな?と
思える暖かい春の日。

今日はそれと同じ匂いがした。

あの時のどの春とも
わたしの今いるところは違う。

みんなみんな
幸せになってね。

そう言葉にすると
悲しかったあの頃のわたしが
より遠くに感じられる。
もう顔も浮かばない愛しい人達。

さようなら。

あの頃は今じゃない。

儀式はもう終わりました。

わたしは
元気にやっています。


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