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【無料】あと214日(たぶん):約百物語とおしくら

7月23日
 昨日は前座勉強会から横山笑吉と勉強会のはしご。昼夜でやった『約百物語』は要素が多くて全部入れ込むと結構な尺になるから、あまりやる機会を確保できない。ネタの角度は自分らしさが詰まっていて、ちゃんと面白いから笑ってもらえる箇所の強度はある。例えば、かなり重たい空気で今日は何をやってもきつそうだなぁというような時でも、単純に切り口の力だけで打開できることがある。一方で、勝負ネタとするには、まずは着地が決まっていないからその時点で完成度がグッと下がるし(終わりよければ大抵のことは良し、と思っている)、あとは全体の流れがまだスムーズじゃない感じがしていて、うねっていかない。だからここぞの場面とか、名刺代わりにしっかり自分の魅力を伝えなくちゃいけない場面では選べないネタという感じ。

 夜は2回目の「おしくら」。博品館は圧倒的ホームということもあってか、とても笑ってもらえた。単純に客数も多いし。それが連雀亭サイズになると、単純に笑いの総量は減るし、あの距離だから細部の拙さがより明確に伝わるしで、ネタ下ろしとはまた全然違う手応えとなった。自分の場合は稽古できっちり固めていくより、実際に高座にかけながら少しずつ磨いていくのが合っているからしばらくはどんどん試していこう。と言っても、内容的に時代の流れとそぐわない要素が多すぎて(というか古典落語中、屈指の時代とのそぐわなさ)、やれる場所は結構限られそうだけど、どう考えても「音」を伝えるネタだから、そこのチューニングさえズレなければそんなにおかしなことにならないはずだけど、まずはその「音」を固めなくちゃいけない。そしてそれは僕にとっては新鮮な作業だ。


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