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【全文公開】真打トライアル ごあいさつ①

2023年7月26日〜11月8日に開催した
『立川吉笑 真打トライアル』では
毎回特製プログラムを配布しました。
これは第1回の挨拶文です。

落語と出会ったのは2008年のこと。
今は無き渋谷HMVで
たまたま志の輔師匠のCDを
買ったのがきっかけでした。

古臭いと勝手に思い込んでいた落語が
こんなに面白いのかと驚き、好きになり、
気づけば立川流の虜になっていました。

落語会に頻繁に通うようになった2009年、
立川流夜席で初めて談笑の高座を観ました。
師匠が袖から勢いよく笑顔で高座に向かう
その瞬間に、舞台上がひときわ眩しく見えました。
落語はもちろんのこと、
その考え方や人柄に惚れて
「この方にだったら
 自分の人生を託しても後悔しない」
と思いました。

2010年秋、談笑に入門しました。
一番弟子ということもあって
師匠と濃密な時間を過ごさせてもらいました。
「とにかくやりたいことを全力でやりな」と
たくさん鼓舞してもらいました。
たくさん褒めてもらいました。

こんなことを考えるのはおこがましいけど、
一番弟子の自分が
ちゃんと良い落語家にならなくちゃ
師匠の顔に泥を塗ることになる
と常々思ってきました。
良い落語家になることだけが
師匠への恩返しになると思っています。


本日は『立川吉笑 真打トライアル』vol.1に
ご来場頂きありがとうございます。

恐れ多いし、口にするのが恥ずかしくもあるけど、
志の輔師匠が、
談春師匠が、志らく師匠が、
そして談笑が受け継いできた
談志師匠の、落語立川流の、
その伝統と革新の遺伝子を
僕も受け継いでいるつもりだ。

それを示すのが
この真打トライアルでの目標だ。

(2023年7月26日 書き下ろし)

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