“ガラパゴスiPhone”?『凄いiPhone手帳術』を書いて気がついたこと

 iPhoneについては、日本は特殊な状況にあるということがよく言われます。それは、3大キャリアによる販売報奨金の存在が、国内に於けるシェアを結果的に高めることになり、国内のスマートフォンの半数がiPhoneという現在の状況につながったこと。あるいは、女子高生のユーザーはかわいいカバーが揃っているという理由でiPhoneを選択しているという話も、以前からよく聞きます。
 実際、家電量販店のスマートフォン用カバーのコーナーは、半分以上がiPhone用の製品で占められています。
 そしてこれと似たような状況は、実はiPhoneと連携するハードウェアについても同様なのではないか。そんな気がします。 具体的には以下のような例です。

○「ポメラ」「クアデルノ」「NeutralBox」
 それは、iPhoneと連携する機器、ツールの多彩さです。
 以下はいずれも詳細な状況をきちんと調べていない上での仮説ですが、そんな気がします。
 たとえば、「ポメラDM200」(キングジム)は、現時点では確か国内専売のはずです。ポメラ自体は、クラウドファンディングを利用して海外市場にそろそろ出るところだったかと思いますが、2種類の現行機種ポメラが販売されているのは、現時点では日本だけではないかと思います。
 同社の収納用BOX「NeutralBox」は、専用のiPhoneアプリを利用して、3桁の番号で箱の内容をiPhoneで管理するものです。この箱も国内専売かもしれません。

 また、電子ペーパーの「クアデルノ」(FCCL)もiPhoneと接続して利用できます。このクアデルノ、海外には販売されているのでしょうか?もともとはSONY製品のOEMだったはずですが、日本専売の製品かどうか気になるところです。

 このように、ひょっとしたら日本ではiPhoneと接続、連携できるものが、実はとても多くあり、それは日本独自の状況なのではないか。そんな仮説を持っています。
 そして、これは日本に限ったことではありませんが、iPhoneという同一のハードウェアは、利用されている国それぞれで、使われ方とか周辺ツール、連携機器が微妙に異なるのではないか。そしてそのことで、同じハードウェアが実は異なった実態でそれぞれの国で使われているのではないかとも思います(各国のiPhoneの利用のされ方を調べてみても面白いかもしれません)。
 『凄いiPhone手帳術』には、iPhoneという、小型高性能な電子機器の可能性を、UIや連携機器のそれぞれから考え、また小型ゆえの制約をどうやって補うかの一つの提案として、上記のような各種機器の利用を紹介しています。
 またiPhoneが出来ることが意外と多いことを、単なるアプリの羅列でなく、「手帳」という切り口で紹介しています。
 それが例えばワードローブの管理であり、蔵書の管理であり、収納物の管理でもあるわけです。

 上記の各種製品が日本専売なのかどうかは、あらためて確かめた上で別途追記しようと思います。

  またたとえば、海外製アプリもちょっとだけ紹介しています。スリーエム製のふせんを取り込んで保存し、パワーポイントやPDFの形式で保存・出力できる「Post-it」がそれです。
 このアプリでは、スリーエム製のふせんならば認識されるはずなのですが、国内で入手できる同社製の、罫線がはいった製品だとうまく認識されず「スリーエム製ではない」という表示が出てしまうのです。つまり、これらはスリーエム製ではあっても日本国内専用の製品であり、おそらく米国で作られたこのアプリはその存在を想定していないと言うことですね。

 おそらくは日本国内のみで販売されている、各種の機器。そしてPost-itアプリのような海外製のアプリ。日本のiPhoneを取り巻く状況とは、これらをすべてひっくるめたものです。
 それこそが、“ガラパゴスiPhone”と呼びうる、iPhoneを取り巻く日本だけの特殊な状況かもしれない。
 そんな仮説をもっています。


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