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第一話 梅津凌岳を嫌いになれなかった自分。

映画でも音楽でも前半、前奏ってめっちゃ大事やと思うんで、変に真面目な話はとっといて最初はこんな感じで、コメディみたいなロマンスも入れながら、ムースフォームキャラメルマキアート(スタバの)みたいな甘さと苦味を階層のように分けた感じでブランドしていこうかなと思います。

ところで皆さんは、彼のことを知っていますか?彼の名は、梅津凌岳(うめづ りょうがく)です。奇遇なことに生年月日が一緒の彼は、今や僕には欠かせない人物です。そんな彼と言えば、京都橘高校サッカー部で、1年生から3年間10番を付け高校サッカー会でも日時は大きく輝く存在でした。

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そんな彼との出会いは、高校に入学してからです。色んな選手が同時に入学してくる中でも、G大阪出身ということもあり中でも期待していましたね。彼と一番最初一緒に行った遠征で仲良くなりましたが、人狼がなんとも強かったので多分ろくな奴じゃないなと思っていました笑 しかしながら、まだその時は、この後、彼に高校3年間負けるとは思ってなかったし、むしろその時は勝ってると思っていました。

僕と長尾(もう1人のサッカー部の高校サッカー不発弾)の開いた口が塞がらなくなってしまったのは、同年、一年生の冬頃選手権の時期です。なんということでしょう、梅津、選手権の前日の番号発表で10と書いてあったんですよ。え、一年で10?ありえないでしょ。と思いながら、紙をみたら本当に10だったんでその日から長尾の開いた口は塞がらず、そこから梅津のスター回路が始まりました。正直、悔しかったですね。同じクラスでいつも一緒にいて、僕がハリーポッターだったら、ロン・ウィズリーみたいな存在の梅津に先を行かれて。そして、翌日、選手権初戦、10番を付けてプレーする彼が僕には眩しすぎてあんまプレー見ませんでした。そして、なにより覚えているのは、僕はそんな彼のミスを誰よりも楽しみに待っていたこと。皆さんにもそんな経験ないですか? 僕は、その悔しさと同時に、梅津がミスることを心のどこかで願ってたんでしょうね、

その日いらい、僕と長尾は、試合のたびに梅津が点を決めると落ち込み、シュートがバーに嫌われると、心臓がバクバクなり、「あっぶねー、また明日の新聞の一面飾られるとこやったわ!」と言ったり、ゲキサカに梅津がアップされると、絶対リツイートしなかったり、え?なんでかって? そりゃ、1年で10番付けて、活躍されたら、梅津が1人でモテまくって困るでしょ僕ら。なんて、長尾と、冗談混じりに話しながら、梅津にもいつもそれ言ってた笑

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でも、なんでやろ。なんやかんや、そんな梅津を心から憎いと思ったことは一度もなくて、普通、こんな状況やったら俺は梅津のこと嫌いでしょうがないと思うはずやのに、むしろめっちゃ好きやった。ん?どのくらい好きだったかって? ガソリンスタンドの臭いくらい好きやったで。 

その理由は、いくつかあって1番は、彼の飾らない性格にあったと思う。例えば、今どきの高校生なら、自分が強豪校で10番を付けていてしかも一年生から、そしたらそれだけでマウントをとることだってできるだろうし、それは、それ相当のものだ。インスタやTwitterのプロフィール欄にも、京都橘サッカー部#10なんてつけるのが今の主流であろう。要するに、スター気取りしようと思えばどんだけでもできたし、所詮世の中の人間は、地位や名誉、権利を求めて行動し、それを存分に利用しようとする。けど彼はそんな性格じゃなかった。なぜか、Twitterにクラスの出席番号は載せてたけど、自分の10番を誰かに見せびらかすようなことは3年間一度もなく、それでマウントを取ったこともなかった。それだけじゃない。なにより寛容だった。何しても基本怒らないし、2限の休み時間でも食堂ついてきてくれるし、休みの日は買い物にも付き合ってくれた。そしてなにより、僕が一番好きな彼の良さは、相手に見返りを求めないこと。

僕は、見返りを求めて善意的な行動をする人間が一番嫌いだ。だったらしない方がいい。しかし、人間だから皆んな、心のどこかに見返りを期待してしまうのかもしれない。けど、僕はそれが一番嫌いだ。稀に、それがよく感じやすい人がいる。あえて口にはしないが、内心そう思ってる。しかし、彼は誰よりもそうじゃなかった。だから、僕はそんな彼の事を3年間嫌いにはなれなかった。そんな彼だったから、僕は高3のある時、監督と揉めて高校を辞めようと思い彼にだけそのことを言った。けど彼はその時初めて、真剣に僕を止めてくれた。正直、嬉しかった。ま、内心辞める勇気もなかったけど笑 梅津には少し大袈裟に言ってみたんだ。でも、その時決めた最後の選手権はコイツに託したいって。

高校3年間、彼は僕がなにより憧れたレールの上を一度も脱線することなく走った。本当に羨ましかった。でも、こんな彼だったから、裏切れなかったし、なんやかんや応援できた。そして、自分もこいつみたいにいいバランスで生きたいと思った。

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こんな文章書いたら、また梅津の好感度上がっちゃうけど、今は彼女いるしいいっか( ̄▽ ̄)だよな、長尾、、今後はちゃんと、梅津の記事リツイートします!



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