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結果の不平等〜アメリカ社会から〜

バイデン氏が270を超える選挙人を獲得したことにより次の大統領への道が開かれつつある。

そんな、選挙真っ最中のアリメカで今最も深刻なのは、貧困層と富裕層の大きな格差である。現在アメリカでは、納税者のトップ0.1%、約17万世帯が国の富の20%をコントロールしている。全体としては、アメリカ経済は成長が続いているにもかかわらず、トップ1%が国の富の約39%をコントロールし、下の90%が国の富に占める割合は、わずか26%である。さらにアメリカの貧困率は17.8%と世界6位の数字であり、これは世界トップは中国で2位は南アフリカ、コスタリカ、ブラジル、インドと続くものの、アメリカは先進国にあって最も高い貧困率である。

このような、格差の原因の一つは、学生ローンの負担からきている。アメリカでは、私立大学が主であり、日本や他国と比べ大学の学費がとても高い。さらに、アメリカは学歴社会であるため、皆が無理してでも大学に行こうとする。そんなアメリカの大学進学率は世界2位である。しかし、貧しい家庭は、そのような費用が賄えないため、学生ローンを借りるといった手段を取るが、多額の学生ローンの返済は、容易なものではない。また、学生ローンを借りて入学した生徒の大半が、大学を卒業する前に中退している。すなわち、アメリカはこのような負の連鎖が積み重なり、貧困の格差が拡大している。さらに、市場原理主義であるアメリカのあり方にも原因がある。市場原理主義なアメリカは、政府は市場や個人の行動への介入を基本的に避ける。その結果、社会保障制度は最小限、公的医療保険も整備されていない。そのため、今回のコロナウイルの蔓延でも、このようなアメリカの問題が原因となり世界で最も感染者と死者を出してしまっている。

このような、アメリカで皆が言う事は、平等じゃないということ。もちろん、同じ国の国民である以上、皆が平等でなければならない。しかし、平等には程遠い。だがそれは、何を平等と扱うかによると思う。もちろん、世界には金持ちもいれば、ハリウッドスターもいるし、ホームレスもいる。しかし、これは結果の不平等であり、大切なのは、機会の平等である。

すなわち、日本もアメリカも世界中どこの国も、まず国民一人一人に、チャンスは平等に与えなくてはならないと思う。しかし、個人の努力不足や実力不足による結果の不平等は、決して不平等ではない。つまりそれは、個人の責任である。しかし、我々人間は、結果の平等を求めて日々、愚痴をこぼしている。

結果が平等な社会は、ありえないし、それでは価値が生まれない。だから、いかに平等なチャンスを政府は国民に与えることができるか、そして我々国民は、いかにその機会を結果につなげることができるかに起因しているのではないかと思う。

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