月ノ美兎の新曲『ウラノミト』がバカエグかった話

いや、やばかった。
昨日から「やばい」しか言ってないんだけど。

月ノ美兎委員長が来月リリースするアルバム『月の兎はヴァーチュアルの夢をみる』から、リード曲『ウラノミト』が先行配信＆MV公開されたんだけど。
あまりのクオリティの高さにひっくり返った。恐ろしくテクい曲にフックの多い歌詞、やたら手のかかったMVに圧倒された。
その上、間違いなくこの曲は「月ノ美兎」だった。

で、僕がこのnoteを書こうと思ったのは単にこの曲が凄かった、というだけでなく、過去に僕が『月ノ美兎楽曲論』なるものを書いていたからだ。

「プロデューサー」の委員長が「アイドル」の月ノ美兎 に歌わせたい曲と自分が歌いたい曲が違うんじゃないの、という主旨のものだった。
その後、2月末にあったにじフェスのステージを観て、その考えを修正せざるを得ない、と思ってしまった。

このステージの特に中盤で歌った3つのカバーに、「プロデューサー」の歌いたい曲が「アイドル」月ノ美兎に歌わせたい曲と合致していて、かつ、しっかり「アイドル」していたことに驚かされたからだ。（以下はそのステージのセットリスト）

1. アンチグラビティ・ガール
2. 冒険でしょでしょ？
3. BANG!
4. 地獄タクシー
5. HANAJI
6. それゆけ！学級委員長
7. Moon!!

いずれも、清純なアイドル路線からは少し逸脱していて、どれも大人びていてセクシーで、しかし可愛さを捨てきってはいない、といったそんなパフォーマンスだった。

で、今回の『ウラノミト』はまさにこの路線で、さらに月ノ美兎に最適化された、そんなオリソンだったのだ。

僕はそんな広範な音楽知識があるわけではないので偏った分析しかできないのだけど、やはりこの曲の源流はDAOKOじゃないかなぁ、と思う。

DAOKO.JP

委員長は過去に、上でも挙げたセットリストにある『BANG!』の他、ジョー・力一とのデュエットで『ステップアップLOVE』をカバーしている。

オシャレでポップなサウンドにコケティッシュな歌詞をウィスパーボイスとポエトリーリーディングで歌う、というあたり、『ウラノミト』はやっぱりDAOKOのフォロワーなんだろうな、と思う。
しかし単にDAOKOをコピーしたと言うだけでなく、可愛さをもっと表に出して、よりアイドルらしさを前面に出し、でも主人公（？）を誘惑する、蠱惑的で大人びた「ウラノミト」がいる……という、歌詞世界がまさに「可愛さだけじゃないアイドル」月ノ美兎をメタに表現しているのだ。

それが、自分みたいな厄介オタクを黙らせるほどにどこをどう切り取っても「月ノ美兎」だったのだから、これはもう、降伏せざるを得ない。
過去、彼女はCDリリースにあたって、TAKU INOUEから『アンチグラビティ・ガール』、ササキトモコから『それゆけ！学級委員長』という2曲のオリソンを提供されており、いずれも「月ノ美兎」の一面を表現した曲としてレベルが高く、これに並ぶ曲なんて早々出てこないよな、と思っていた……のだけど、あっさり出てきてしまったなぁ、それもとんでもなくクオリティの高いのが、というのが今の気持ちだ。いやいや、本当に驚かされた。
作詞：只野菜摘、作曲・編曲：広川恵一（MONACA）という人選なんだけど……やっぱプロは凄いっすね。

ということで、僕が以前書いた『月ノ美兎楽曲論』は完全に破棄せざるを得なくなってしまった。

今日の深夜0時からYouTube Music Weekendの枠内で委員長のライブがある。他の人達はビデオクリップのようだが、委員長は生出演らしい。

このクオリティの楽曲がずらずら並んだらオタクはもう死ぬしかないんだけど、果たして。

【7/18未明 追記】
さっきオンラインライブでアルバムの別の収録曲『ウエルカムトゥザ現世』を披露していたが、打って変わってめちゃめちゃロッキンな歌だった。
作曲のTAKUYAって元ジュディマリの人だしそらそうなるわなぁという感じなんだけど、委員長の歌声もウィスパーボイスからは程遠い力強いもので、これはアルバムのごった煮感が容易に想像つくというもの。