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空が好きな理由

今日も洗濯物が良く乾く。
2023年、今年の夏は暑かった。畳作りの仕事をしていると工場内は40℃近くになることもあり、1日に何回もTシャツなど着替え、洗濯をした。
我が家には、別棟の二階におよそ6m四方の鉄骨で組んだ物干しがある。東には大菩薩峠、南には富士山、西には隼山が見え、北は建物があり見えないが乾徳山があり見渡しが実に良い。屋根は半透明なプラスチックでできており、風通しもとても良い。


富士山が見える物干し


山梨は、四方を3000m級の山々に囲まれているため、複雑な気流が発生する。
夏は大菩薩峠から昇り立つ入道雲に雷雨、秋は、鱗雲、イワシ雲、吊るし雲、筋雲など様々な雲が現れる。そして、朝焼けや夕焼け、刻々と時間によって変化する雲の色。なんとも美しい。


鱗雲の夕焼け


 
2021年に母を亡くし、今年2023年3月に父を亡くし、一人暮らしの私は、家事、洗濯をしなければならない。ここ数年はすべて一人で行っていたので、別に苦にはならない当たり前のことだが、10月5日。いつものように洗濯物を干していた。今日も雲が多めだが隙間から見える青空と雲のコントラストの美しさに感動していた。
ふと、そういえば、小さい頃からこの場所で母の手伝いをしながら、よく洗濯物を干したなぁと、そして、「あの雲筋斗雲みたいだね」「あの飛行機雲長いね」「空いっぱい鱗雲で綺麗だね」「今日は雲の流れが速いね」「ぽっかり浮かんだ雲が形を変えながら流れて行く様子を観察したり」空を眺めては美しい雲の話したのを思い出した。
母もお日様の匂いのする洗濯物や、この場所が好きで気分が晴れるとよく言っていた。
 
大人になってからは、この場所に椅子を置いて、雷を見たり、東の空から月が登ってくるのをビール片手に眺めたりするのも楽しみの1つとしている。
 

仕事終わり物干しに上りビール


私の茶人としての名前は「宗空」。好きな空が入っている。これも何かのご縁か?
子供の頃、母と過ごしたこの物干しのことを思い出しながら、そんなことを考えた秋の晴れの日でした。

鱗雲と月

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