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「目配り、気配り、心配り」

目配り、気配り、心配りについてみてみましょう。

 

目配り:いろいろな細かいところに、注意を行き届かせること。

気配り:あれこれ気を使うこと。思いやり。

心配り:相手の立場になって、あれこれと気をつかい考えて行動すること

 

これは茶道だけでなく職人の世界でもよく使われる言葉で、この三配りができるようになるため、お稽古、仕事を通して日々精進していると言っても過言ではありません。

茶道のお稽古をするということは、注意深くものを見る力を養い、気を配り、相手の立場に立って考えられる思いやりのある人間を育成していくことを目標にしていると思います。

 

(1)目配り

職人の世界では、「技術は盗め」という言葉を使います。昔気質の親方は、技を教えてくれないので、見て覚えろという意味です。今の教育では、すべてマニュアル化されていますので早く上達しますが、その後の創造的なもの、なぜ?みたいな考える力は教えようがありません。やはり目配りをして注意深くものを見る力を鍛えることが大切だと思います。

茶道はいろいろな訓練になりますが、特に「花月」というお稽古は、目配りの良い訓練になると思います。このお稽古は、5人でするお稽古ですが、お茶を点てる人、お茶を飲む人を、折据(おりすえ)という紙の箱の中に入った花月札を引くことで決め、一度に5人でお点前と客のお稽古をするお稽古です。花月百遍朧月(かげつひゃっぺんおぼろづき)」とも言われます。百回稽古しても、おぼろ月のようにはっきりしないと言う意味ですが、とても面白いお稽古です。

 

(2)気配り

気配りについてこんなエピソードがあります。15年くらい前になりますが、私がお刺身の醤油がなくなってテーブルの上を探していると、当時5歳の姪っ子が醤油を取ってくれてことがあります。何も言っていないのになぜ分かったのか不思議でしたが、きっと私の行動をつぶさに見ていたのでしょう。

2歳という小ささで、朝泣きながら保育園に行ったもので、寂しく、いつも親指を加えていました。慣れない環境の中、まだしゃべることができないため洞察力が自然と鍛えられたのでしょう。今日は1月10日成人の日、彼女は今日成人式を迎えており、なぜかこんなエピソードを思い出しました。

 

(3)心配り

心配りと、気配りと似ていますが、一番の大きな違いは、相手の立場に立って気づいた配慮を行うことです。気配りは、相手に喜ばれるとは限りませんが、心配りは必ず相手に喜ばれます。

これは個人的に思うことですが、心配りは、相手に分からないように、知らないうちにしてあげることだと思います。昔、聞いた話ですが、海外で飛行機に乗ろうと乗り込むと、既に満席とCAに言われたそうです。もちろんチケットは持っていたそうです。海外ではよくある話だと聞きました。

どうしてもこの飛行機に乗らなければならない理由をCAとディスカッションしていると、一人の紳士が飛行機から何も言わず、通路を通って降りて行ったそうです。CAは席が空きましたと言ったそうです。もし私が降りるとしても、降り際に私が代わりに降りてあげるよ!とか恩着せがましく言うだろうな(笑)

 

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