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茶道の最終目標は?

茶道を習う前のイメージは、お茶室でお菓子が出て、お抹茶を頂く。お茶碗を回してお抹茶を頂いて、「結構なお点前でと言う」こんな感じの漠然とした内容でした。

 

入門してみて、生け花、お香、炭点前、書、懐石料理、道具など、いろいろなことを学ぶのでびっくりしました。茶道とは、まさに総合文化ですね!

今回は、茶道で学ぶたくさんのことは、最終的には、「茶事」ということができるようになるために、いろいろ学んでいるということをお話しようと思います。

 

「茶事」の流れを簡単に説明すると、少人数のお客様をお招きし、一服の美味しいお濃茶をお出しするために様々な配慮を致します。少人数の中でも正客、次客、その他とあり、正客が一番のメインであり、この方を中心に茶事が進みます。

 

まずお湯を沸かすために炭点前といって、炭を足してお湯を沸かし、香を焚きます。炭点前にも作法があります。

お湯が沸く間、美味しいお茶を飲むために、軽い食事「懐石料理」お酒も頂きます。

休憩をはさみ、お濃茶を頂きますが、最初に主菓子と言って季節の和菓子を頂きます。このお菓子もどんなものが出てくるか楽しみの1つです。

いよいよメインのお濃茶ですが、お濃茶は一人分、茶杓3杯、9gくらいのお抹茶(しかもお濃茶用の特別な抹茶)を少量のお湯を入れ練ります。通常は、1碗で3人分を一緒に点て3人で回し飲みます。(このところコロナの影響もあり、一人一碗の一服点てになっております)

最期に、干菓子を頂き、薄茶(皆さんも飲まれたことがあるお抹茶です)を頂いて解散となります。

時間は、通常、「ふたときは超えない」と言われておりますので、四時間以内で終わるように心掛けます。しかし状況によっては4時間を超えることもあります。

 

簡単な流れだけ説明いたしましたが、お茶事の大切なことは、お客様に喜んで頂けるよう様々な目配り、気配り、心配りをし、おもてなしをすることです。

 

ですので、準備がとても大切です。

茶室はもちろんのこと、路地、周辺を掃き清め、隅々まで掃除を致します。そして掛け軸(茶事のテーマ)であったり、季節のお花を生けたり、掛け軸や花に合った花入れを選択したり、お香を焚いたり、お茶碗、茶入れ、茶杓、水差し、建水、棚など様々なお道具の取り合わせを考え、1週間くらい掛けて準備いたします。

 

「茶事」と「茶会」の違い。

「茶事」の説明をいたしましたが、「茶会」という言葉をみなさんも聞いたことがあり馴染み深いと思います。「茶会」は、お茶とお菓子だけでおもてなしする略式なものになります。人数も多数になり数百人にもなるものもあります。

 

「懐石料理」と「会席料理」の2つありますが、本来は上記で説明した「茶事」に使う「懐石料理」から派生し、食事とお酒を主眼としたおもてなしが「会席料理」になります。今では、こちらが主流になっておりますが、教養や芸術、文化などを含んだ「茶事」というのは、国際社会の中でこれからますます見直されていくと思います。

 

そうはいっても「茶事」に招かれる機会もないでしょうし、招かれたとしても着物を着なければいけないのではないかとか、正座が厳しい、何を準備したらよいか分からない、礼儀作法を知らないなど分からないことだらけで敷居が高いと思います。

もし折角のチャンスがありましたら、勇気を出して参加してみてください。お茶事をされる先生であれば、優しくご指導くださると思います。

因みにいくつか簡単にアドバイスすると

・スーツにネクタイで大丈夫です。
・白い靴下を持って行って待合で履き替える。
・懐紙(和紙でできたもの)、無かったり、忘れてもお隣に言えばくれます(^^)
・扇子(茶道用)なくても大丈夫です。
・正座も足が痺れてきたら、遠慮せずあぐらをかけば大丈夫です。ご亭主もお楽にと言ってくださいます。我々も足が痺れたらあぐらをかきます。

私もまだまだ「茶事」をするまでにはいきませんが、将来、世界最高峰のおもてなし「茶事」ができるようになりたいと思っております。ここで1つお茶にまつわる言葉がります。

「亭主7分に客3分」ご亭主がいくら準備をしても7分、残りの3分はお客様(客ぶりという)次第という意味です。その空間というものは、亭主とお客様方で作り上げていくものなのです。だから第2回でもお話した「調和」が大切なのだと思います。

 

今回は、習い事の茶道の最終目標として、「茶事」についてお話しましたが、茶道を習う目的はいろいろあってよいと思います。

●お稽古に行って非日常を愉しむ。
●日本文化を学ぶ。
●お稽古によって綺麗な立ち居振る舞いを学ぶ。
●掛軸やお道具などの素晴らしいものを見る。
●お仲間とお稽古を愉しむ
●茶禅一味の世界を追求する
●茶道によって目利き力をつける
●美味しいお菓子とお抹茶を飲む

など十人十色ですね!

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