LIVE備忘録 vol.5 【アーケード】
『カネコアヤノ 日本武道館ワンマンショー 2021』
※もう既にライブから半年経っていますが許してね。
カネコアヤノ。
大人しそうな顔をして、日常生活に転がった大切な感情をトンデモパワフルな歌声で届けるシンガー。
そんな彼女にハマったのは2020年11月頃だった。
最初は、あまりガッツリハマる声ではないなぁ、という感じだったのに気づけばリピートしていて、そのままどっぷり、というハマり方は‘小山田壮平’のときと全く一緒だった。
そこから12月に『祝祭』と『さよーならあなた』を買い、2021年6月に『燦々』を買ったカツヲはもう完全にカネコアヤノのトリコとなっていた。
いつか絶対にライブに行くぞ!!!と思っていたときにこんな案内が。
あまりにも完璧なタイミングで、あまりにも完璧な時期で、あまりにも完璧な場所だった。
七夕に舞い降りた素敵なお知らせを見て、嬉しさのあまり舞踊ったカツヲは、思考停止のまま速攻応募して、しっかり2週間後に当選した。
9月になって、後期月曜のその時間の教職の授業が、無慈悲にもリアルタイム双方向型であることが判明したため、カツヲは1度は武道館を諦めかけたが、思考フル回転でその授業を次年度にも取れることを確認しまくり、履修をしっかり組んで、いよいよなんの心配もなく武道館でカネコアヤノを観れることが決定した。
そこからはもうずっと生殺し状態だった。
楽しみで仕方がないのだ。
楽しみで仕方がないのだ。
楽しみで仕方がないのだ。
7月に発表されて、実際にライブをやるのはほぼ12月。5ヶ月も‘楽しみ’‘嬉しみ’‘ワクワク’‘ザワザワ’等のこの世の全てのポジティブな感情に宙ぶらりんにされていたカツヲは、もう浮き足立ちまくり、茶葉も立ちまくり、クララも立ちまくり。なんなら「楽しみすぎてキレそう」という訳の分からん感情のまま過ごしていた。
待ちに待ったその日は‘よすがT’を身につけて学校に向かい、オンライン授業だけでなく、ライブ中の時限にあるオンデマンド授業も討伐した。全てのしがらみを解放して、17時頃に飯田橋駅から武道館へ向かうと、既にカネコアヤノグッズを持っている人もちらほら。
人生で初めて来た日本武道館は、でかかった。
親友のKと近況をだべっているとき、リハーサルの音(なんの曲だったかは忘れました。)も聞こえていた。
⬇[from unaさん (@dropcandynoame)]
18:30頃にはアリーナ席のKと別れて自分の席へ向かった。
人生で初めて入った日本武道館は、でかかった。
もう30分後には彼女たちが出てくるステージを一瞥しつつ、座席は‘2階 南M列 7番’。割とステージ正面ではあるが少々遠い。
でもそんなことも考えられないぐらい楽しみなカツヲはソワソワ。近くに座っていた人の真似をして本を読んでみたり、目を瞑って深呼吸をしてみたり。
5ヶ月前から生殺しにされっぱなしのカツヲはもう、それはそれは美味しい鰹のたたきになっていた。意味わからん。
andymoriの話をする2列前の若者2人に親近感を抱きつつ、あっという間に19時。会場全体が暗転し、白いフリルワンピースを纏ったカネコアヤノを筆頭に、ギターの林宏敏、ベースの本村拓磨、ドラムのBobがステージに現れる。
マイクの前に立ったカネコアヤノはたった一言。
よろしくね〜ありがとう〜
この第一声を聞いてカツヲは「おぉ、、、」という、感嘆と驚きと安心がごちゃ混ぜになった意味不明な声が出た。し、なんなら2列前の男子大学生を含めた周りの人達も同じ声を出していた。
カネコアヤノのエレキギターの弾き語りから始まる1曲目は“グレープフルーツ”。
彼女にとって大きな転換点で、大切な曲のひとつ。小さな身体から放たれる力強い歌声に、鳥肌たちまくり、胸がじんわりぽかぽか。
もう1曲目の“グレープフルーツ”を聴いた時点で、このライブは間違いないことが決定していた。どこから来るのかわからぬ涙で視界がぼんやりしたまま、鳥肌立ちまくりのまま、あっという間に3曲目の“栄えた街の”が終わっていた。
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ここまで書いておいてなんなんだ、って感じだが、正直に言うと肝心のライブは全く覚えていない。それぞれの曲を観ているときの景色は脳の片隅にほんの1nmずつ保存されているのだが、その時の詳細な景色、感情はビビるぐらい覚えていない。ライブが終わった直後ですらも、歌った曲は覚えていたが、それ以外のことはほとんど覚えていなかった。
楽しかったことはすぐに忘れてしまう、雑魚メモリ脳細胞君なんです。多分幼少期に、「開けたあとに自動で戻ってくる玄関のドアを頭で受け止めたらどうなるんだろう」という疑問を抱き、実践した時からぶっ壊れました。
そのため、薄っぺらい感想でリニアモーターカーの如くどんどん進んでしまうがお許しを。
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“ごあいさつ”、“朝になって夢からさめて”は普段あまり聴いていない曲ではあったが、めちゃめちゃ良かった。
全編通して、イントロでなんの曲なのかある程度の予想をしながら聴くのだが、“花ひらくまで”を“僕ら花束みたいに寄り添って”と勘違いしたり、すっかり忘れていたバンドバージョンの“祝日”に困惑したりしながら、あっという間に12曲目の“閃きは彼方”。このライブは照明がとても素晴らしかったのだが、“閃きは彼方”の照明ももちろん素晴らしく、サビに合わせてキラキラしていて幻想的だった。
14曲目の“退屈な日々にさようならを”にはかなり驚いた。なんとなく『祝祭』、『燦々』、『よすが』以外のアルバムからやるイメージがなかったため、1st EP『さよーならあなた (second edition)』のみに収録されている曲を歌ったことに対する驚きだった。その時点で強く印象に残っているのだが、それ以上にめちゃめちゃ良かった。ライブ映像がYouTubeにアップされてからこのようなことを言うのはかなりずるい気がするが、自分にとって本編のハイライトはこの曲だと思っている。
“グレープフルーツ”と同じくエレキギターの軽快な弾き語りから始まる“カウボーイ”は、歌い始めた瞬間、これまた「おぉ、、、」という、感嘆と驚きと安心がごちゃ混ぜになった意味不明な声が出た。し、なんなら2列前の若者を含めた周りの、、(以下略)。“抱擁”とのコントラストでとても印象深く、もうウキウキ。
そのボルテージを維持したまま披露された“さよーならあなた”は圧巻だった。音源の何倍もの長さで弾き鳴らされたアウトロは、林宏敏のギターソロを中心とした叫ぶような4人のアンサンブル。もう、鳥肌立ちまくり、圧倒されまくり。ただでさえここまでずっと鳥肌立ちまくりだったカツヲは、追い打ちをかけるかのようなそのアウトロでついにくちばしが生えていました。
そして代表曲の1つでもある“愛のままを”を歌いきったカネコアヤノは、たった一言。
ありがとう〜
と言って去っていった。
彼女がステージ上で発した歌詞以外の言葉はたった二言、「よろしく〜」と「ありがとう〜」だけだった。
本編でパワフルで繊細な歌声で駆け抜けたカネコアヤノは、アンコールで再び登場してふにゃっふにゃのMCをしていた。
嬉しいサプライズと、さっきまでの力強い彼女とは思えないMCに、会場全体も‘いひひっ’。
そしてなんとも優しいMCに、会場全体も‘えへへっ’。
アンコール1曲目は“光の方へ”。あぁ、優しい。透き通る歌声が心の奥に染み込んでいた。
そして、最後の曲は“アーケード”。曲の開始と共に一気に明るく照らされた会場全体は、全てを見渡せるほどに。その瞬間、気づけば観客全員が立ち上がっていた。
示し合わせたかのように立ち上がりすっかり一体となった7000人の観客は、各々の熱量を放出し、大きな会場の中心で歌うカネコアヤノを見つめていた。
どうやらこの演出は4人も知らなかったらしく、かなりびっくりしたそう。
清々しい気持ちで外へ出ると素敵なチラシが。
たしか全体が青verのチラシもあって、カツヲがスタッフさんから貰ったのは赤verだった。
そして、この作品はつい先日(5/13)まで受注をしていて、もちろんしっかり申し込んだ。届くのが楽しみで仕方がない。
Kと集合したカツヲは、ずっと食べてみたかった『山下本気うどん 神楽坂店』へ
気づけばもう11月30日で、7時には学校に行く電車に乗っていた。電車のお供は昨日のセットリスト。昨日のことを思い出し、そのセットリストを耳に染み渡らせながら、
遠くてしっかり4人の顔を見ることはできなかったなぁ
でも、カネコアヤノがちゃんと裸足だったのは見えたなぁ
なんて思いながら最寄り駅に着いて外に出ると、ちょうどピッタリ“アーケード”が流れ、学校に着いたところでちょうどピッタリセットリストが一周する、というとんでもミラクルを起こした。
帰りの電車では隣に立っていた人が“光の方へ”を聴いている、というミラクルも起こした。そんな隣の人に思わず、
わたしも今“花ひらくまで”を聴いてますよ
と声をかけそうになったりしながら、この人も昨日の武道館ライブに行ったのかな、なんて思ったりしながら、元の日常へ戻っていった。
相変わらず記事のまとめ方が分からないので、さよーならあなた。
[セットリスト]
1. グレープフルーツ
2. 孤独と祈り
3. 栄えた街の
4. セゾン
5. ごあいさつ
6. 手紙
7. 朝になって夢からさめて
8. 序章
9. 花ひらくまで
10. 明け方
11. 祝日
12. 閃きは彼方
13. 燦々
14. 退屈な日々にさようならを
15. 車窓より
16. 僕ら花束みたいに寄り添って
17. 抱擁
18. カウボーイ
19. さよーならあなた
20. 爛漫
21. 愛のままを
~アンコール~
22. 光の方へ
23. アーケード
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