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LIVE備忘録 vol.9 【ロックンロール!!!】

『カネコアヤノ×ザ・クロマニヨンズ』at KT Zepp Yokohama


ちょうど夏休みが終わり、後期授業1日目だった9月21日。こんな発表が。

カネコアヤノ×ザ・クロマニヨンズ!?!?
カネコアヤノ×ザ・クロマニヨンズ!?!?
カネコアヤノ×ザ・クロマニヨンズ!?!?

こんなん最高じゃない訳ないだろ!!!

速攻申し込んで、3週間前の6日に当落発表があり、当選した。とてつもなく雨に打たれながら歩く線路沿いの道で、当選を確認してスキップをしたことを覚えている。

当たった喜びを父親にも母親にも速攻伝えた。
クロマニヨンズだぜ!?
ヒロトだぜ!?マーシーだぜ!?



カツヲが音楽にのめり込むきっかけとなった存在、‘THE BLUE HEARTS’。
10年にも満たない活動期間で、日本の音楽史に確かな影響を与えた、‘THE BLUE HEARTS’。
そんな伝説的バンドのフロントマン甲本ヒロトとギタリスト真島昌利によるバンド、‘ザ・クロマニヨンズ’。

とはいいつつ、ブルーハーツ大好きみたいな顔しといて、ハイロウズは日曜日よりの使者しか知らないし、クロマニヨンズは“タリホー”、“エルビス(仮)”、“どん底”しか知らない。


世間一般的に1番有名なのは言わずもがなブルーハーツだけど、ハイロウズが1番良いと言う人も多い。

過去の曲を歌わないのは知ってる。

でもそんなの関係ねぇって!
ロックンロールは魂だから!
ナビゲーターは魂だから!

なんとなく初見には行きづらい「ベテランロックバンドのライブ」だけれども、カネコアヤノとのツーマンということである程度の‘ホーム感’を感じながら行けるかもしれない。


カネコアヤノのアルバムも本格的に発表されたし、クロマニヨンズもCDを出すみたい。

もしかしたら新曲の目撃者になるかもしれない。




2022年10月27日(木)

とても大学で授業を受けるやつとは思えないほどの軽装で家を出て大学へ向かった。イヤホンから流れるのは“休日”。

穏やかな日に風が吹いて 穏やかな日に列車に乗る

“休日”  THE BLUE HEARTS

とんでもなく天気が良い。

最高な一日が始まった。




授業を終え、横浜に降り立ったのは18:00。



分散入場にあたり、自分の整理番号はもう到着時には入場できた。




ドリンクを受け取り会場へ進むとこんなチラシが。

画質終わってます。

楽しみだ。



スタンディングってことは頑張れば前行けるんだよな、、、と思いつつ会場に入るともう既に結構人がいる。
と思いきやそうでもなく、なんとステージ下手側、前から3列目あたりを確保出来た。


近すぎる。

近すぎる。

近すぎる。

ステージまで5 mも無い。。。
ステージまで5 mも無い。。。


セットされた楽器を見るとどうやら先攻はクロマニヨンズ。
ドラムとベースとギターとマイクスタンド。


やべえって。


やはり前半はクロマニヨンズということもあって、周りを見るとカネコアヤノのファンは少なく、こんなところにいていいのかという疑念もあった。

しかし、そんなこともすぐ吹っ飛ぶレベルの近さ。



ソワソワしていたらあっという間に開演時間に。

会場が暗転し、ザ・クロマニヨンズが‘出現’した。

それぞれ黒と赤のクロマニヨンズTシャツを身にまとった、桐田勝治(Dr.)、真島昌利(Gt.)、小林勝(Ba.)、そして甲本ヒロト(Vo.)。

ずっとYouTubeやテレビで見てきたまんまの姿で。


うわーーーーーー!やべぇって。


曲名を言って彼らの1曲目“クロマニヨン・ストンプ”が始まった瞬間、観客の波と歓声が起こった。
全員が前へ前へと向かい、背中を押されながら流されるようにしてステージ上の彼らを追う。

ヒロトとカツジのマネをして手拍子を刻む。

そして突然の‘ライブ感’に驚く自分の耳にヒロトの声が届く。



うわーーーーーー!やべえって。



ヒロトの声だ。

中学のときにテレビ台の収納の奥から見つけた、『THE BLUE HEARTS』と『TRAIN-TRAIN』のCD。
ずっとイヤホンから流れていた歌声。

何一つ変わっていない歌声。

姿。

エネルギー。

ずっと見たかった景色がそこにはあった。



2曲目は“タリホー”。すっかりライブ会場の空気と一体化した脳みそは、身体を揺らし、跳ねさせ、拳を上げる。
数少ない知っている曲に魂も揺れる。

なんと言っても知らない曲ばかりではあったが、聴けば身体は動く。身体は火照る。

会場を動き回るヒロト、そしてキレッキレのバッキングソロを魅せるマーシー。
画面の向こうでしか見た事のなかった景色。
時に近寄っては観客全員と目を合わせて歌うヒロトに、巧みにブルースハープを奏でるヒロトに釘付けになる。


ベクトルは近しくはあれど、カネコアヤノとは異なる、真っ直ぐでシンプルな歌詞が胸に響く。


そしてMCでは優しい声で

久しぶりのライブだ
3日もみんなに会えないと寂しいぜ

と言う。



うわーーーーーー!やべえって。



ライブも後半になり、“どん底”に続き“エルビス(仮)”を歌い始めたときはもうエネルギーが爆発した。

価値のわからない  手から手へわたり
ホコリをかぶっている  宝物

“エルビス(仮)” ザ・クロマニヨンズ

クソかっけぇよ…。

たしかここら辺のタイミングで、「もうここからはMCなしで歌うぜ」みたいなことを言っていて、ラストまでノンストップ。

また、MCは基本的になんて言ってたか忘れたが、ライブ中盤のMCで「カネコアヤノコさん」と噛んでしまい、「カネコアヤノさんありがとう」と言い直していた。

最後の曲は“ナンバーワン野郎!”。
人差し指を立て、ステージでロックンロールを爆発させる彼らに捧げる‘ナンバーワン’。



ライブ中盤で上裸になっていたヒロトは13曲を駆け抜け、おもむろにベルトを外す。
外したベルトの裏(なんか書いてあったけど忘れました。多分「ロックンロール○○」って書いてあった。)を見せて満足気なヒロトは、

ロックンロール!!!

と叫んで去っていった。

(ベルトを外してはしゃぐヒロトの横で、マーシーは穏やかすぎる声で何か言ってたけど忘れました。忘れすぎだろ。多分「次はカネコアヤノさんです。楽しんでってね〜」みたいな感じ。)






放心状態の身体に染みる汗。
軽装で来て良かった。

身体に閉じ込めきれなくなった熱を垂れ流しながら、ステージ転換を眺める。

その間なんの前触れもなしに普通にドラムの照沼さんや、ギターの林さんが楽器のチューニング?をしに出てきていた。


近いよ。



クロマニヨンズよりややコンパクトな配置のカネコアヤノのバンドセット。
心臓がバクバクしていた。
過去に2回行ったカネコアヤノのライブは、どちらもステージからめちゃめちゃ遠かった。
でも今回は目と鼻の先。
手を伸ばせば届きそうなほどの距離に。

そして会場が暗転し現れた、照沼光星(Dr.)、林宏敏(Gt.)、本村拓磨(Ba)、そしてカネコアヤノ(Gt. Vo.)。
ロングヘアでパーマがかかった志磨遼平みたいな髪に、なんだか夢の中みたいなロングTシャツとジャージのカネコアヤノ。

そんなカネコアヤノは拳に気合いを入れてエネルギーを奮い立たせ、いつも通り4人で向かい合って手を合わせる。


軽快なイントロから本村さんのシャウトが入り、カネコアヤノはエメラルドのSGをかき鳴らしながら、確実に上がりまくった会場のボルテージをそのままに“愛のままを”を歌う。



近い、、、。


知ってはいたけどもこんなにも力強いアタックでギターを弾いていたのか。
知ってはいたけどもこんなにも力強い表情で歌っていたのか。

1曲の中でテンポや拍子が変化する、まさにカネコアヤノの代表曲。
やや浮ついた会場のエネルギーをたった1曲でまとめて自分の色にしてしまった。

さらに“カウボーイ”と続き、今日はエンジョイセトリだ!とテンションも最高潮。

君といるのが楽しいカウボーイ!それだけでいいよ!!!

“カウボーイ”が終わるともうすっかりクロマニヨンズファンも取り込まれている雰囲気で、‘モトムラコール’が飛び交っていた。



飛び交うモトムラコールの中で叫ばれた「アヤノー!!!」に照れた様子のカネコアヤノは続いて“明け方”を歌う。

力強い歌声で

言わなくていいこと たくさんあるね

“明け方” カネコアヤノ

と歌う。



最高にクールな跳ねるようなギターと、落ち着いたドラムで始まれば“ごあいさつ”。
イントロを聴いて自然に、うわーーキタキタ、となり、こんなにもこの曲が好きだったのか、気付かされる。
イントロでモトムラ&カネコが目を合わせて笑いあっていた(ような気がする)。


ゆらゆら揺れるように歌う“セゾン”で我に返り、映像でしか見たことの無い、武道館では遠すぎて見えなかったカネコアヤノが、たった5m前で歌っていることに感激する。

そんで自分は本村さん側にいたから良く見えたのだが、特にライブの前半では、ずっとフラダンサーみたいに揺れる‘ハワイアンモトムラ’が印象的だった。



ライブ後半に入り、よしっ、と呟いて歌ったのは新曲。
中野サンプラザで聴いた新曲ほど激しい曲ではなく、ライブ直前で発表されたCMソングとも違う、完全新曲。

1曲の中で4拍→3拍→2拍と変わる、まさにカネコアヤノの良さが溢れる曲。
歌詞は
「いつでも気分は上がったり下がったり」
「ぼくがぼくで居て何が悪い」
みたいな感じだった。



続く“爛漫”はもちろん間違いないのだが、どうしても拳を挙げる観客が気になってしまい、イマイチ集中出来なかった。
この曲は拳を挙げる曲じゃないよ。



そして今回のライブのハイライトはこの曲、“光の方へ”。

ライブ映像も含めて今まで聴いたことのある“光の方へ”は全て、どこか‘苦しさ’や‘寂しさ’、‘やるせなさ’を感じるものだった。
しかし、今回はなんだかポップで苦しさから解放されたような感じ。
テンポが少し早かった気がするのもあるとは思うが、カネコアヤノが純粋に音楽を楽しんでいたからこその歌だった。


だからこそ次の“アーケード”はなおも楽しげで。
たしかこの曲の最中にメガネを外してモトムラ第二形態になっていた。



それからテンションの緩急がついて歌われた“わたしたちへ”は、中野サンプラザでの衝撃が大きすぎて自分の期待感が上がりすぎていたのもあるのだが、ギターの音がイマイチ聴こえず少し残念だった。(この頃にはすっかり左耳がぶっ壊れていたのも影響しているとは思います)


そして最後は中野サンプラザでもやった新曲。歌詞とメロディをなんとなく覚えていようと思ったけど全部忘れてしまいました。


そして、クロマニヨンズさんありがとうございました、と感謝を述べたあと、ヒロトと同じく

ロックンロール!!!

と言って去っていった。





とてつもない音楽のエネルギーを受け取り心地よい疲労感に包まれた身体に、入り組んだ横浜迷宮にある町中華で油淋鶏を吸収させたカツヲは、ただならぬ満足感と有り余るエネルギーを放出しながら横浜を後にした。



ライブでは終始、暗黙の了解のような感じで歓声や歌声が飛び交っていたのだが、コロナ禍のライブにしか行った事のない自分には、まだ声は出せなかった。

しかし、‘コロナ禍以前のライブ’を取り戻せる日も近いのかもしれないと感じた。





[セットリスト]

: ザ・クロマニヨンズ
1. クロマニヨン・ストンプ
2. タリホー
3. 雷雨決行
4. ドライブ GO!
5. ごくつぶし
6. どん底
7. エルビス (仮)
8. グリセリンクイーン
9. 暴動チャイル (BO CHILE)
10. 紙飛行機
11. ギリギリガンガン
12. エイトビート
13. ナンバーワン野郎!


:カネコアヤノ
1. 愛のままを
2. カウボーイ
3. 明け方
4. ごあいさつ
5. セゾン
6. 新曲①
7. 爛漫
8. 光の方へ
9. アーケード
10. わたしたちへ
11. 新曲②

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