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エピソード1「持ち家 VS 賃貸」


家を買うってこんなに大変だったの?


5ヶ月ほどSNSから消え失せていましたが、何をしていたかというと家を買いました。中古戸建てを購入し、現在大規模リフォーム中で2021年11月末に引越し予定です。

ぶっちゃけ家を買うってめちゃめちゃ大変で、不動産業者やリフォーム業者から飛んできたボールを秒で打ち返さないとやられてしまいます。やられてしまうというとちょっと言い方が悪いですが、実際に「買う」となった時は、結構なスピード感で物事が進んでいくのでボーってしていたら置いていかれるし、わからないのに「ふんふん」って頷いていると後々、後悔する結果になります。かと言ってこっちは不動産初心者なので、基本的にわからないことだらけでYoutubeやブログで不動産に関する知識を詰め込んで格闘する毎日でした。

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家を買うまでの歩みを記録に残したい


不動産を探す段階、交渉、契約、住宅ローン、火災保険、補助金、リフォームなど、それぞれの専門家がベルトコンベア式に運ばれてきて、それぞれ順番に適切に対応しなければなりません。それは、まさに剣道の掛かり稽古のようです。

各専門家と対峙するときは、ちゃんと知識武装をしてこちらの断固たる方向性をちゃんと持ってないと営業トークに惑わされて判断を誤ってしまいます。得に不動産営業マンは仲介業なので、契約が成立しないと報酬が一銭も入りません。これが仲介ではなく「価値ある不動産を探すコンサル」として営業マンを雇うなら完全に自分達の味方となりますが、必ずしも彼らにとっての正義と僕たちが求めるものが一致しているとは限らないんですよね。そういった意味で不動産営業マンは僕たちからみると敵にもなるし、味方にもなる存在だと思います。

現在、リフォーム中であとは家の完成を待つのみですが、今回の不動産購入を振り返った時の自己評価は100点満点で90点ぐらいかなと思ってます。このマガジンは不動産初心者の僕たちが、不動産を購入するにあたり、何を考え、何を選択し、どんな事があって、何を学んで、何を失敗して、どんなラッキーがあって乗り越えてきたのか、そのすべてを時系列に沿って記録に残そうと思います。専門家ではなく、あくまでユーザーからの視点で不動産検討から実際に住むまでの過程を連載にしていきたいと思います。この5ヶ月は本当にいろんなドラマがありました。もう、書きたいことが山ほどあって、結構な回の連載になると思います。

これから不動産を購入する方がいれば、賛否も含めて参考になれば嬉しいなと思います。予め言っておきますが、専門家ではないので「正しさ」を保証するものではありません。あくまで、僕たちはこう考えてこう行動したという記録です。


第1章は検討編です。
エピソード1は「持ち家 VS 賃貸 」というテーマでお伝えします。
結果的に「持ち家」を選んだわけですが、最初から持ち家ありきで不動産を考えたわけではありません。「なぜ、持ち家にしたのか?」という経緯についてお話します。


持ち家 vs 賃貸

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僕は38歳。フリーランスでサックス講師や映像制作などを仕事にしています。妻は33歳。上場企業の大手ドラックストアの調剤薬剤師、ただいま育児休暇中。子供は2歳の娘と今年の春に産まれた0歳の息子がいます。

現在の住居は、神戸市灘区の阪急六甲からすぐ近くの家賃10万5000円のマンション。広さは66㎡の2LDK、仕事柄4畳半の和室には防音室が設置されており、これから子供達が成長していく事を考えると今の間取りでは手狭になります。そこで長女である2歳の娘が小学校に上がるまでに広い場所へ住み替えないといけないと考えていました。

結果的に家を買ったといっても最初から持ち家と決めていたわけでなく、持ち家にするのか、賃貸で住み替えるのかは最後まで悩みました。最長で4年間検討期間があるので、まさかこんなに早く購入する事になるなんて思ってもいませんでした。

持ち家と賃貸、どっちが得だという議論は至るところでされていますが決定的な結論はなく、結果的には資産となる家を変えれば持ち家が得だし、負債となる家を買うくらいなら賃貸が得だということだと思います。単純計算の経済合理性と資産性のある不動産を購入するハードルの高さを考えると、基本的に僕は賃貸派です。

僕の思う持ち家の最大のリスクは「動けない」ということだと思います。これだけ変化が激しい時代は、変化にすぐ対応できるようにできるだけ身軽になっておく方が基本方針として良いと思っていて、賃貸の方が柔軟に対応できます。他にも僕は自宅で仕事をしているので家賃の一部を経費算入できるというのもメリットがあります。

逆に妻は持ち家派です。結婚した時も持ち家にするか賃貸にするかという家族会議があり、妻は賃貸で家賃を消費するぐらいなら、最終的には資産になる持ち家が良いと、不動産屋のよくあるセールストークを展開していましたが、自分が所有するからといってそれが「資産」になるとは限らないと言う事と「動けない」リスクがあると伝えたところ当時はポカンとしてましたが、最近、オリエンタルラジオの中田あっちゃんの未来予測の動画をみて、土地に縛られるリスクをなんとなく理解したみたいです。

ただ、僕が賃貸派なのはあくまで一般論で、自分達の生活に置き換えたときに必ずしも賃貸が最適解とは限りません。我が家でいうと、どの地域に住み、どんな子育てをしたいのか、どんな生活スタイルが理想なのか、間取りはどれくらい必要か、という現実を鑑みた時に、もちろん持ち家も選択肢に入ります。

現実的に考えて我が家の場合は、僕の仕事場として防音室が必要で、子供が女の子と男の子なので、できれば将来的に別々の個室を与えてあげたい、さらに夫婦の寝室も必要と考えると4LDKの間取りが必要になってきます。マンションでいうと80〜90㎡は必要です。
また、僕たちは車を持たない主義なので利便性の良さや駅から距離も重要で、さらにできれば今住んでいるエリア(神戸市灘区)から離れたくないという想いもあります。

80〜90㎡の広さはマンションでいうとかなり広い方で、共働き夫婦や夫婦+子供1人ぐらいだとだいたい50〜70㎡ぐらいがちょうど良く、駅近などの利便性の良いマンションはだいたいがこれくらいの広さです。マンションで80〜90㎡の広さを求めると駅から遠くなるか、今住んでいるエリア外で探すかになってきます。戸建ての賃貸も検討しましたが、なくはないのですが圧倒的に数は少ないという印象でした。


住居費を3つの区分で考える

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新しい住まいを考えるにあたって我が家の方針は「経済的価値で考える」という事でした。もちろん、安く住めたらなんだっていい、という訳ではなく、ちゃんとこだわりたいところもあるし、豊に生活できることは大前提なのですが、「夢のマイホーム」とか「背伸びをした贅沢な暮らしをしたい」とか、そんな願望はありませんでした。

今、住んでいるマンションは築50年くらいですが、室内はリフォームされていて綺麗ですし、生活をしていて何の不自由もありません。基本的には今の生活水準でOKです。

そこで住居費を「投資」「消費」「浪費」の3つの区分で考えるようにしました。今の生活水準より贅沢する項目を「浪費」と考え、今の生活スタイルを維持するのに必要な項目を「消費」、今の生活水準より生産性があがるものや富をもたらしてくれるものを「投資」という3つの区分で住居費を考えるようにしました。

賃貸にしろ、持ち家にしろ、今した選択はこの3つの区分のどこに分類させるのかを考えながら住居をあり方を模索していきます。これが不動産検討の段階なら資産価値の高い家を見つけたら「投資」と考えて迷わず買うし、もし、見つからなかったら「消費」と割り切って賃貸を選ぶ、他にも引越し時に洗濯機をドラム式に買い換えるのは生産性が上がるので「投資」に分類する、という考えです。
「浪費」が決して悪いわけではなく、生産性が上がらないけど心を豊かにしてくれるのか「浪費」です。夏には子供達とお庭でプール遊びをしたい、とかオシャレな空間にしたいとかは「浪費」の区分です。今、僕たちがした選択はこの3つのどこに分類されるか?そのバランス感覚が大切なのかなと思います。


節税効果を考える

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実際にかなり検討したの税制面です。現在の家賃の一部を僕の事業経費に算入しており税制面ではかなり助かっています。今はフリーランスですが、今後、事業を法人化して役員社宅にし節税するという方法もあるので持ち家よりもお得になるというケースもあります。

一方で持ち家にした場合は僕の事業での節税はできません。そもそもとして住宅ローンを組む場合、フリーランスの僕は社会的信用がないので多分、無理。もし、可能だったとしてもものすごく金利が高くなります。ローンを組む場合は、上場企業に勤めていて社会的に信用がある妻に組んでもらいます。その方が金利が安いし借りれる額も大きいです。

税制面では妻名義になるため僕の事業での節税はできません。しかし、逆に妻が住宅ローン控除を受けれるので妻の税金が安くなります。共同名義にして僕の事業の経費として組み込めなくもないのですが、その場合は事業部分と居住部分の割合を決め、住宅ローン控除を受けれるのは居住部分のみなるので妻の節税効果が薄くなります。

住宅ローン控除は、年末時点での住宅ローンの残高の1%を10年間(法人から購入の場合は13年)に渡って、支払うべき税金からごっそり控除できるというものです。(上限は40万円)住宅ローン控除は税額控除なので節税効果がものすごく甚大なんですね。この「払うべき税金」からごっそり控除できるというのが税額控除です。

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もし、住宅ローン控除で40万円の控除を受けれたとして、累進課税の税率が10%だったとしたら、400万円の経費算入したのと同じ効果があるので税額控除の甚大さがよくわかります。

節税効果のシミレーション

支払う税金がどれだけ違うのかのイメージを掴むためシミレーションをしてみます。

①フリーランスで家賃の一部を経費算入したパターン(賃貸)
②法人化して役員社宅にしたパターン(賃貸)
③会社員が不動産を購入し、住宅ローン減税を適用したパターン(持ち家)

ざっくりと節税のイメージを掴むためのシミレーションなので、限りなくこの3つのパターンの条件を同じにします。

■条件
・年収(売上)500万
・家賃は10万円(持ち家の場合はローン返済額を10万円にするため借入額を3870万 35年 元利均等 変動金利0.475で計算)
・フリーランスと法人の経費算入額は③の会社員の給与所得控除と同額で計算
・①フリーランスは青色申告の特別控除あり、事業割合は30%で計算
・その他、基礎控除以外の所得控除は計算に入れない
・社会保険料控除も計算に入れない


①フリーランスで家賃の一部を経費算入したパターン(賃貸)

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売上500万
△経費144万
△家賃経費算入36万
△青色申告特別控除65万
△基礎控除48万

課税所得金額 207万

所得税(10%-控除額:97500)109500
住民税(10%)207000
合計 316500円


②法人化して役員社宅にしたパターン(賃貸)

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法人売上500万
△家賃経費120万
△経費144万
△役員報酬236万
※売上がなくても法人で負担する税金あり(最低7万円)

個人の年収236万
△給与所得控除78.8万
△基礎控除 48万

課税所得金額 109.2万

所得税(5%)54600
住民税(10%)109200
法人税 70000

合計 233800円

③会社員が不動産を購入し、住宅ローン減税を適用したパターン(持ち家)

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年収500万
△給与所得控除 144万
△基礎控除 48万
課税所得金額 308万

所得税(10%-控除額:97500)210500
住民税(10%)308000
△住宅ローン控除 376800

所得税 0
住民税 240300
※住宅ローン減税は所得税の控除額に余りがある場合は住民税からも控除できる。但し、課税総所得金額等×7.0%相当額であり、これが136500円を超える場合には、136500円が上限

合計 240300円

こちらはあくまで初年度の計算です。
住宅ローンの残債は少しずつ減っていくので、住宅ローン減税の控除額もだんだんと減っていき10年後の控除額は282900円となります。そして、10年以降の節税効果なく、11年後以降の税金は518500円に戻ります。

同じ条件で上記の3パターンを比較してみると、法人化して役員社宅で賃貸にするのがお得に見えます。しかし、上記みたいに家賃とローン返済額がもし同等なら税制上はどっちが得かみたいな計算ができますが、実際にはあまり意味がありません。

なぜ意味がないのか?

なぜなら、実際には妻と僕の所得は違います。事業経費はもっと大きいかもしれないし、社会保障料やその他の控除も個別のケースによって異なります。それに法人化するかどうかは事業状況で決めるべきで住居費のためにするものでもない。また、資産価値の高い家を買うことができれば、家賃として消えていくお金が逆に富をもたらしてくれる可能性もあるわけです。他には、税金をコストとして考えるのであれば、持ち家は修繕費や固定資産税、マンションなら管理費や修繕積立費などのトータルのコストも計算に入れて考える必要があります。

そもそも論として同じ金額で比較しても、その金額で買える(もしくは、借りれる)物件そのものが違います。当然、家の広さや間取りが違います。実際に、同じエリア(神戸市灘区)で今より広い間取りを賃貸で探すとなると今よりも家賃自体が高くなるでしょう。

節税を基準に住居のあり方を決めるのはナンセンスで、節税の知識はしっかりと持っておいた上で、自分達の暮らしの理想に合わせて選択する必要があります。(ただ一般的には選べないよね)

我が家の結論

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基本ベースの考えとして、収入に対しての住居費を考えたときになるべく今の家賃よりあげたくないという想いがります。仕方なく上がるとしてもできる限り押さえたい。そう考えると、賃貸を選択するのであれば、今の住んでいる灘区のエリアは諦めて西のエリア(須磨、垂水、舞子、明石)で探す。
持ち家を選択するのであれば、今の家賃と同額か、修繕費や固定資産税などのコストも考えるとそれ以下の返済額で組める住宅ローンで持ち家を見つけるか、となります。


ただ、持ち家を選ぶ場合は負債となる不動産に手を出すと事だけは絶対にしたくないので、立地を見極めて探すとなります。ちなみに今住んでいる灘エリアは、神戸の中心街である三宮と大阪の間にあり利便性が良く、子育て世帯に人気エリアなので立地はめちゃくちゃ良いです。

結論として検討期間の4年間で不動産の勉強をしながら灘エリアで資産性のある持ち家を探す。もし、見つからなければ賃貸を選択する、という方向性で動き出しました。

 次回予告

次回は「資産価値がある家って何?」というテーマでお話しします。何度か本文で「資産価値が高い家を見つけたら」と書いていますが、僕たちは何を持って資産価値が高いと考えているのかという話です。乞うご期待!!

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このマガジンは、我が家の不動産購入までのストーリーを実際の金額や出来事を赤裸々に綴っていきます。個人名や場所が特定される内容は書きませんが、業者名などは公開して体験談を語っていきます。ということでかなり際どい情報もバンバン出していくので有料マガジンにします。

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