見出し画像

はじめてのキャッツ編【初心者向け】劇団四季ミュージカルの選び方【超個人的!】

今回は、劇団四季の人気作「キャッツ」をご紹介します!
こちらも実写映画化され、話題になりました。
(最近、ミュージカルの実写映画化の波がアツいですね…!)

まずは、総評から。

【概要】
あなたはジェリクルキャッツを知っているか。
今宵、新たな人生を生きることを許されるジェリクルキャッツが決まる…

【立ち位置】
陽  □■□□□ 隠
明解 □□□□■ 難解

【オススメ度】
ストーリー  ★☆☆☆☆
曲・歌    ★★★★★
美術・衣装  ★★★★★
演出     ★★★★☆
子供向け   ★★☆☆☆
大人向け   ★★★★☆

【どんな人にオススメ?】
歌やダンスが大好きな方

では、詳細の説明に入っていきます!

1.概要

とある街のゴミ捨て場に、どこからともなく猫たちが集まってきます。
彼らは「ジェリクルキャッツ」
ジェリクルキャッツとは、人間に媚びず、孤独に怯えず、耐え、猫であることに誇りを持ち、やり抜く猫のこと。
個性豊かなその猫たちは、年に一度、最も純粋なジェリクルキャッツを選ぶ舞踏会へやってきます。
最も純粋なジェリクルキャッツに選ばれた猫は、天上へ登り新たな人生を生きることを許されます。

おばさん猫のジェニエニドッツ
セクシーなツッパリ猫のラム・タム・タガー
お金持ちのバストファージョーンズ
泥棒コンビのマンゴジェリーランパルティーザー
ジェリクルキャッツを決める長老猫オールドデュトロノミー
喧嘩猫のランパスキャット
集まった猫たちは、自分が選ばれるために歌い踊り明かします。

そんな猫たちの様子を、陰から娼婦猫のグリザベラが見ています。
彼女は、周りから忌み嫌われ、避けられていました。
誰もいなくなったゴミ捨て場で1匹、過ぎ去った自分の過去を思い出しながら、それでも明日へ向かっていこう、とグリザベラは歌うのでした。
(一幕終わり)

2.立ち位置

楽しい曲が多く盛り上がりますが、ストーリー全体を理解するのが難しい作品です。
これは、キャッツ初見の方を誘って観劇する方にも伝えたいのですが、初見の方はストーリーを理解しようと頑張らないでください。
基本は、ジェリクルキャッツと呼ばれる猫たちの生態を紹介しているので、この猫はどんな猫なのかな?どんな生き方をしているのかな?という視点で観ていただくのが良いと思います。
難しく考えず、そのときスポットライトを浴びている猫を観てあげてください!
曲自体はノリが良いものが多く、各猫の性格に合わせて曲調も全く違うので、飽きずに楽しく鑑賞できると思います。

3.オススメ度

ストーリー  ★☆☆☆☆
キャッツを知らない方が初めて観ると、十中八九ストーリーを掴めないと思います。
2.立ち位置でも書いた通り。キャッツはストーリーを理解しようと思って観なくて良いと私は思います。
極端な言い方ですが、ストーリーはあってないものと思ってください。

実際、私の夫もキャッツの観劇は2回のみですが、
初回は「ストーリーが分からないけど、曲とダンスがすごく良かった!」
2回目で「やっと歌詞で何を言ってるのか理解した!ストーリーが分かってきた!」
と言っていました。
まずは、キャッツの世界観、曲、ダンスにどっぷりとハマっていただいて、観劇2回目、3回目と回を重ねるごとに、ストーリーを理解していくのが良いと思います。
(絶対ストーリーを理解しなければ…というわけではないので、歌とダンス、それだけで良い!という楽しみ方も良いと思いますし、むしろキャッツはそれ向きだと思います。)

曲・歌    ★★★★★
登場猫それぞれに曲があります。
全部紹介するのは仕切れないので、代表曲を2曲ご紹介します。

・ジェリクルソング
観客をキャッツの世界へ誘う導入曲です。

 生まれたのか、闇の中に
 恐れないか、何者をも
 黙ったまま、耐えて強く
 生き抜けるか、その孤独を
 そう!ジェリクル、我らジェリクルキャッツ
 ジェリクル、いつものぞむ
 誇り高く、ジェリクル、やり抜くのさ

1匹ずつ猫たちが物陰から登場し、徐々にアンサンブルになり、ジェリクルキャッツとは何かを高らかに歌い上げます。
この曲は劇中何度か出てくるので、とても頭に残りやすい曲です。
ぶっちゃけ、歌詞を全部分からなくても音楽とダンスだけで楽しめます!
誇り高く生きる猫たちの姿を観てください。

・ネーミング・オブ・キャッツ〜猫の名
劇中では、ジェリクルソングに続き流れる曲です。
観客に気づいた猫たちが、ジェリクルキャッツとは何か、なぜ自分たちはここに集まっているかを説いてくださいます笑
曲のはじめはほとんどセリフです。
頑張って覚えたくなりますがいまだに覚えられません…。
猫はセリフを喋りながら、じっと観客を観察してきます。
道端で出会った猫が、遠くからこちらを警戒してじっと見つめてくる、あの感じに似ていて、目が離せません。

美術・衣装  ★★★★★
キャッツの見所といえば、美術や衣装も素晴らしいです。
衣装ははっきり言うと全身タイツなのですが、役者が表現する猫のしなやかな動きを、最大限に生かすものになっています。
劇中、猫たちのしなやかで力強い動きに見惚れてしまいます。
さらに、キャッツは劇団四季の他の演目とは違い、専用劇場での公演になります。
キャッツの劇場は客席すらも舞台であり、その形は舞台を中心に、客席が半円状になっており、座席も一階のみ。
後ろの壁でさえも舞台美術の一つです。
その舞台美術の中でもよくテレビでの特集で話題になるのは、ご当地ゴミです。
物語の舞台が街のゴミ捨て場なので、壁面にはありとあらゆるゴミが配置されています。
その中には、公演をしている地方ならではのゴミ(東京公演なら、東京ばな奈のパッケージやジャイアンツのユニフォームなど)が混じっていて、開演前や幕間に舞台美術を見て回るのも、とても面白いです。

演出     ★★★★☆
キャッツの劇場は座席までが舞台と先述しましたが、この劇場を最大限に活かした演出がなされています。
猫は気まぐれで神出鬼没です。
いつのまにか、そばに寄ってきます。
座席ブロックの間にある通路も猫の通り道です。
猫たちは舞台上を飛び出して、通路にまでやってきて歌い踊ります。
まるで自分までもが猫になったかのような臨場感を味わえます。
もし、キャッツを観に行くときに座席を選ぶのであれば、前であれ後ろであれ、通路側3〜4番目までの席を選ぶと、猫との接触率が上がります!
また、舞台を少し外れた右上の土管から、左下の影から、など、ありとあらゆるところから猫は顔を出します。
推し猫が出来たら、その猫だけの動きを追ってみるのも楽しいです。

子供向け   ★★☆☆☆
会場全体がキャッツの世界にどっぷりハマれるものになっているので、お子様でも楽しいと思います。
ストーリーよりは、どの猫が好き?という話で盛り上がれる、そんな演目です。

大人向け   ★★★★☆
ストーリーがわかると、大人の方がグッと来てしまうのではないでしょうか。
ジェリクルキャッツは基本的には楽しく人生(猫生?)を謳歌しているのですが、大人猫たちは哀愁が漂い、自分を少し重ねてウルッとしてしまうのです。
キャッツのなかでも有名な「メモリー」というナンバーは、聴くと自然に涙が溢れ、切なく胸が締め付けられます。

4.どんな人にオススメ?

歌やダンスを観ることが大好きな方にはピッタリだと思います。
猫の性格を表す歌詞、
思わずノリノリになってしまう曲、
猫のような演者のしなやかな動きと鋭い視線。
体全体を使った表現がそこにあります。

反対に、ストーリー重視の方には向かない演目かもしれません。
その場合は、原作本やWikipediaなどで登場猫と大まかなストーリーを事前に把握しておくと良いかと思います!
劇団四季は各演目の曲を集めたCDを出しているので、これで予習するのもアリです。
曲のネタバレがあっても、現地で観る舞台は別物で、格別ですから。

【CD】劇団四季ミュージカル『キャッツ』<メモリアルエディション> 通常盤


さて、はじめてのキャッツ編はいかがでしたか?
少し観る人を選ぶ演目ではありますが、ハマってしまったら何度でも観たくなる。
演者によっても少しずつ猫の出立ちが変わります。そこがまた良い。
これが、キャッツが長く人気である所以だと思います。
今回は全体的な話になりましたが、別の記事でそれぞれの猫や楽曲についても書いてみたいですね。


この記事が、誰かのミュージカル第一歩の手助けになれたら幸いです。
ではまた次回(^O^)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?