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ドラマ『北の国から』もう一度味わってみよう!倉本聡、その作品の書き方(脚本)についても!

#倉本聰 #北の国から #田中邦衛  #山田良明 #名作ドラマ  

私には、主人公を演じた、田中邦衛にそっくりな親戚のオジさんがいた。そのオジさんといつも会って話すと、うれしさが湧いてきて、つい長話しになってしまう。そんなオジさんに、落ち込んだとき、何度も救われた気分になったものだ。だからと言うわけでもないが、この『北の国から』をよく見ていた。

☆あらすじ。
幼い子供2人と、中年の父親が、故郷である。北海道の富良野に戻って生活するというストーリー。生活の場を、ド田舎に移した。先代が開拓で手に入れた土地だ。水道や電気などのインフラすら整っていない。あるのはただ北海道の大自然。しかし、子供たちは、徐々に順応し、自然や、そこに住む人々との交流で、たくましくなっていく。

このドラマが最初に放送企画があがったとき、同時間帯に山田太一ドラマ『思い出づくり』があって、これ!大丈夫かと言うことだったようだ。しかし、放送が進むほどに、人気を博していく。初回1981年10月から 1982年3月の連続ドラマは、平均14.8%の視聴率で、最終回は21%となった。さらに単発モノのドラマも、1983年3月の『北の国から83冬』が23%。『84夏』が、23.6%、『87初恋』が24.8%という具合に伸びて行き、最後の『北の国から2002遺言』(2002年9月)は、前編が38.4%で、後編が33.6%という人気ぶりになった。これはやっぱり、日本のドラマ史上、傑出した作品と言えるでしょう。

倉本聡と言えば、山田良明プロデューサーの事について触れなければならない。
山田プロデューサーは、自分からこのドラマでの仕事を申し込んで、参加スタッフとなったそうだ。初めは、なんと送迎ドライバー。ところが、倉本聡が『君、こんなとこにいたんじゃおかしい。現場で、制作課程を見てなくちゃー』と。この話が監督に伝わり、制作現場に関わることに…。

倉本聡の脚本完成までの流れはこうだ。まず、大枠を決め、それから中枠を決める。そして最後に詳細を決める。
大枠とは、ストーリーの始まりと終わり、主人公の動機や目的、登場人物の関係などを考えるということ。
中枠とは、各話の展開やテーマ、起承転結などを考えること。
詳細とは、書きやセリフ、場面の描写などを考えること。

これを、山田と杉田成道のプロデューサー2人と倉本とで作っていく。ポイントは、面白い!笑えるか!と、泣ける場面は的確か! プロデューサー2人は、作戦を立てたそうだ。自分たちの意見を、倉本聡が聞いてくれるにはどうするか!

プロデューサー2人は作戦を立てたそうだ。必ず最初に、1人がうまくできたところを褒める。一方で、ここはちょっと違うんじゃないか!と提案する……この流れ。

本編が終了しても、倉本は続編を作ることを希望し、特別編として、何度もテレビで放送された。だから、数年に1度の回は、都度これが最後になるという意味を持ったエンディング形式になったという話である。

このドラマは、今までにない斬新な切り口。笑いと涙に溢れ。対比効果も抜群なセンスで作られていた。やはりこのドラマ、不朽の名作だろう。

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