県庁職員のメリット・デメリット（メリット編）

唐突ですが、今回は県庁職員のメリット・デメリットをお伝えします。
研修派遣で市役所の福祉部門で窓口業務をやった経験があるので、県庁職員のメリット・デメリットについて、少し違った角度でお話できるかな？
今回はメリットだけお話します。デメリットは次回に。

県庁職員のメリット

１．住民との距離が遠い。

いきなりですが、県の機関とかにいって、何か手続きしたことありますか？多くの人なら、市役所なら住民票とか課税証明書を取りに・・・とかあると思いますが、県の機関って、なかなかピンときません。パスポートの発券業務が県庁の中で住民とよく接する窓口でしたが、県によってはこれも市役所に移譲されています。
そうです。県は住民と接する業務が非常に少ないです。あっても、市役所を挟んで来ることが多いです。
これはかなり大きいです。市役所にお務めの方ならわかると思いますが、対住民業務は本当に難儀していると思います。私も福祉部門の窓口業務をやったことがありますが、本当にたまげました。これが、THE・最大のメリットと思います。

２．異動の度に人間関係をリセットしやすい。

県庁職員の異動範囲は基本的にその県内全域です。県庁の本庁のほかに各拠点都市に地方事務所が置かれています。人事異動の度に庁舎が変わることがあり、ある程度人間関係がリセットできます。
市役所だと、支所もあると思いますが、基本的には市役所内での異動です。人間関係もかなり濃いです。いい噂、悪い噂の瞬く間に広がります。年度末は人事異動で次に転入する職員の噂で持ち切りですね。「お、めっちゃいいヤツじゃん！」、「あいつは、・・・」、「前の部署で休んでいたらしいよ」とか何でも筒抜けですね。プライバシーなんてありません。県から研修派遣で来た私でさえも噂？のようなものが流れましたからね。
県庁はあまりそんなことないです。組織が大きく、職員数も多いので、それほど濃くはありません。噂はないことないですが。

３．出先機関に行けば、予算要求業務も議会対応もない。

県庁には出先機関があります。保健所、県土整備事務所や農林水産事務所などあります。そうした機関は、基本的に予算要求業務や議会対応がありません。
この２つはとてもやっかいです。
予算要求業務は、年度の半年以上かかる大変な業務です。予算要求を取り仕切る財政課と壮絶なバトルが繰り広げられます。それは本当に必要なのか？他県はやっているのか？予算要求額は適正なのか？効果は？国はいくら出すのか？と矢継ぎ早に、五月雨に「宿題」が言い渡されます。県庁の本庁はそれに対応しないとなりません。
出先もないことないですが、県庁の担当課に予算要求をして、あとはその担当課が財政課と折衝してくれます。
あと、議会対応。基本的に年度で４回ぐらいは定例会＋臨時会があります。議会は、知事が提出した議案（予算案など）を県民の負託を受けた議員が審議するところです。
議会での審議に先立って、常任委員会で各議員が集中的に審議をします。この常任委員会では県庁の担当課の課長たちが知事に成り代わって議会に提出した議案について説明をします。
説明にあたっては適当に答えられないので、課長たちが答弁できるように資料を大量作成します。聞かれるかどうかもわからない質問にも想定Ｑ＆Ａとか作ります。時間の無駄です。
また、議会の答弁案も作ります。議会では各課を代表する各部長が議員の質問に答弁します。
答弁に間違いがあっては絶対いけません。また、お金が絡む答弁は絶対に財政課と相談しないとなりません。
予算も組んでいないのに、お金を出します！って議会で言えませんからね。
非常に神経を使う業務です。部長によっては、ここの表現を全部変えろ！って議会直前に言われたり。答弁書も作成ルールがくっそ細かくて疲れて萎えます。
出先機関には、そんな業務はありません。あっても、議員の視察とか。その視察も本庁の職員がほぼ対応してくれますね。

県のことばかり書いてしまいましたが、これら２つの業務は、市役所も関係なくあります。市役所の福祉部門に私がいたときも、窓口業務、予算要求業務、議会対応は全部しました。
市役所の議会対応は本当にやっかいでした。市議会議員がふらっと窓口にきて、市民の悩みや市政の課題をあれこれいって、すぐに解決しろ！動け！とか言われますもんね。（ということは市議会議員の名前や顔をある程度おぼえていないと大変なことに。。。。）
市役所の職員の方々には本当に頭があがりません！

話は戻って県庁へ。それなので、県庁内ではヒエラルキーが当然ありますよね。本庁は出先よりも偉いって。
同じ組織の職員なのにねって思います。
まあ、業務の負担がこれだけ違うので。っていうことがあるけど、露骨な差別みたいなものはありますね～