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祭りの季節がやってくる

東北では、8月前半に夏祭りが行われる地域が多数あります。
私が住む青森市では、ねぶた祭が8月2日から8月7日まで行われます。
私は今年の春に青森に引っ越してきたので、初めてのねぶたです。
青森に来て、一番楽しみにしていたと言っても過言ではなく、有料席のチケットを購入して準備をしています。
8月5日はねぶたを見るための、8月7日はねぶた流しと花火を見るための席を確保しました。あとは雨が降らないことを願うばかりです。

ねぶた祭は一度見てみたいと思っていましたが、遠いことと、ひどく混雑するであろうことから諦めていました。
でも今は、歩いて見に行ける所に住んでいます。
来年はまた違う所に住んでいるかも知れないので、最初で最後のチャンスかもしれません。
私は特別祭り好きというほどではないと自身では思っているのですが、それでも青森といえばねぶたが真っ先に思い浮かぶのです。
もっとも、それしか知らなかった、あとはリンゴぐらいしか浮かんでこなかった…青森についてはほとんど何も知らなかった私です。
それが青森で暮らし始めて青森の事を知るようになり、良い所を沢山見てきた今でも、やっぱりねぶた祭が楽しみです。
地域全体で盛り上がっているのを感じます。ねぶたの情報が多いんです。
いくつ完成したねぶたを台上げしたとか、桟敷席の準備も進んでいるとか。
そしてどこからともなく、お囃子の練習をしていると思われる音か聞こえてきたりして、ソワソワ、ウキウキ、ワクワクしてきます。


青森ねぶた祭は、七夕祭りの灯籠流しの変形であろうといわれているそうです。
七夕祭りは穢れを川や海に流す、禊の行事として灯籠を流して無病息災を祈る行事ということで、ねぶた祭もそのような思いで行われる行事なのでしょう。
祈る思いと沸き立つ興奮を併せ持つ…祭りは人を動かす原動力にもなり得ると思います。

五所川原立佞武多
五所川原市の立佞武多の館で見ることができます

青森市の隣、五所川原市のねぷた祭りは、明治時代に高さの隆盛を極めていたものが、電線の普及と共に背の低いねぷたとなり、さらには戦争や大火により製作資料もほとんど失われ、人々の記憶から薄れていた…、それが当時の写真と図面が出てきたのをきっかけに、1996年に市民有志が巨大ねぷたを復元し、1998年より「五所川原立佞武多」として約90年ぶりに復活させたそうです。
祭りが人を動かしたのか、人が祭りを動かしたのか、どちらにしても、凄いエネルギーだな、と思いました。

秋田竿灯まつり 2023年
秋田竿灯まつり 2023年

昨年は秋田に住んでいて、竿燈まつりを見に行きました。
想像よりはるかに楽しくて、秋田でのいい思い出の一つとなりました。
竿燈まつりもひどく混雑することは予想できましたが「せっかく歩いて見に行ける所に住んでいるんだから」と行ってみたのです。
正直、竿燈まつりは知ってはいたけどそれほど期待していなかったのです。
それが、行ってみて驚きました。美しさに目を見張りました。
しなる竹竿に支えられ、ゆらゆらと揺れる提灯がいくつも並び、担ぎ手はバランスを取りながら持ち上げます。
優しい灯りとは裏腹に、その竿燈は50kgもあるそうです。
それを腰や手のひら、額などで支える技もあり、時に大きく傾き倒れることもあるという、力強さと危険な面もある。
その会場に流れる「どっこいしょ~どっこいしょ」という声は気が抜けるほど優しい声で、なんとも不思議で魅力的でした。
たぶん実際に行ってみないと竿燈まつりの本当の魅力は分からないと思います。

何でもそうですね、実際に体験してみないと本当のところは分からないものです。だからこそ、一生に一度でも、と思うのです。

短い青森の夏をめいっぱい楽しみたいと思います。


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