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FUSION 360と3Dプリンタでのルアーの作り方(超初級)その2 モデルの出力まで


久しぶりに作ってみたら、強度不足と重量不足でしたので、設定を変更しました。ヒーターブロックと熱電対の接触具合や、外気温度によって少し変える必要があります。ヒートン用の穴がつぶれ気味でしたので、Hole Horizontal Expansionで出力時に少し大きくしてみます。

印刷温度:220℃→240℃
冷却:20%→50%
インフィル:33%→40%
初期水平展開:0→-0.1mm
Hole Horizontal Expansion:0→0.2mm
ラフト:なくても一応造形できましたが、接地面積が少なすぎるのであったほうが無難です。なしにするならノリで補強を。


 使用している3DプリンターはQIDIのX-SMARTです。結構前の機種で、いまは後継機種のX-SMART3が売られているようです。
 性能は悪くないですが、ステッピングモータのドライバーがあまりよくなく、モータの動作音がかなりうるさいです。後継機種ではかなり改善されているようなので、そろそろ買い換えたいです。
 ちょっとだけ改造しています。
 まず、ノズルヘッドはMK10の0.2mmに変えています。
 ノズルのヒーターブロックの断熱はシリコーン製カバーにしています。
 プラットフォームはデフォルトでマグネット製ですが、個の取り外しできるシートのコーティングが経年劣化でぼこぼこになりましたので、コーティングをすべてカッターでそぎ落として、PEIシートを張りました。
 フィラメントはPxmalionのABS、色はクリアーです。クリアーといってもFDM形式の3Dプリンターでは層と層の間に多少なりとも空気が残りますので、なんとなく光が透ける程度の透明にするのが限界です。とはいえ水中での存在感は控え目にできますので、リップがあるルアーにはお勧めです。

 3Dプリンターの設定項目については、使用するプリンターごとに条件出しして決める必要がありますので、私のプリンターの設定がそのまま使えるというものではないと思います。基本的にはデフォルトでいいと思いますが、特に重要なところだけ説明します。

 ライン幅はノズルの径と同じです。今回は0.2mmのノズルを使用しているので0.2mmです。モデルの作成の時に説明した通り、強度を保証するためにはウィールライン数が重要です。これは4に設定しました。0.2×4=0.8mmが充填率100%の壁になります。ノズル径が0.4mmの場合にはウォールライン数は2でよいのではないでしょうか。
 スピードは印刷速度50mm/s、移動速度100mm/sです。古い機種なのであまり速くできません。
 温度は、印刷温度はやや高めで240℃です。高いほうが層と層の密着が良くなり強度が増します。しかし高くし過ぎるとサポートを取るのが困難になります。今回の形状ではサポートは必要ありませんので、少し高めでも良いということになります。
 初期レイヤーのビルドプレート温度は食いつきを重視して高めの少し110℃、ビルドプレート温度は100℃です。
 印刷中の冷却は50%です。モデルの置き方ですが、下記のように立てて置くことでサポートは必要なくなります。

モデルの置き方

 ちょっと戻って[アタッチ→ビルドプレートの接着タイプ]ですが、まずは無しにします。この状態で一度、右下の[準備する]を押してスライスを作成してみます。スライスを作成すると画面の下部に印刷時間と材料の使用が出ます。ここで材料の使用を見て、重さの検討をつけます。
 少し重めのリグを使用するので、比重は0.6くらいにしておきます。ですので6gくらいになるように、インフィルの値を変えて何度かスライスを作成しなおして、適度なインフィルの値を見つけます。今回は40%でいきます。

 このまま出力するとビルドプレートとの設置面積が少なすぎて印刷の途中で倒れてしまう可能性がありますので、[アタッチ→ビルドプレートの接着タイプ]をラフトに変更します。ラフトはビルドプレートと本体の間に接着層を作る機能で、ABSのように反りやすい材質で印刷中にビルドプレートからはがれてしまうことを防ぐのにとても有効です。ただし、ラフトと本体との接着面を剥がすときにこの面が荒れてしまいますので、つるっとした面が必要な時には向きません。これでスライスを作成すると、ラフトの分、1gほど増えているのが分かります。

ラフトの効果

 3Dプリンターで出力して完了です。
 なお、PEIシートは新品状態では抜群の食い付きですが、だんだん劣化してはがれやすくなってしまいます。そんなに安いものではないので気軽に取り換えるわけにはいきません。そこでプラットフォームシートのモデルが乗る部分に、TOMBOWのスティックのりPiTシワなしを塗って補強しておきます。普通のスティックのりよりもかなり薄く均一に塗ることができます。また、水洗いで落とすことができますので、プラットフォームシートは繰り返し使うことができます。

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