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【ガロ】の時代

長井勝一という編集長は、壮絶な個性の城砦「青林堂」を作り、当時の一部若者達にとって
バイブルのような存在=ガロを作りました。


残念なことに、娯楽性も無く、楽しめない、漫画の粋を逸脱した月刊誌ガロの経営事情は火の車。

殆どの漫画家は、無償で、長井氏に作品提供、青林堂を潰さないという信念と意思がありました。


丸尾末広という漫画家がおりました。

おどろおどろしい世界、祭りの見世物小屋、蛇女の絵を思わせる画風。
(後に夢野久作 江戸川乱歩を愛読したと知り、納得ですが♪)

花輪和一 耽美系、猟奇系(丸尾と双璧

決して心地良くはなく、むしろ目にすると 自分が気付かない体内の毒が蠢くような絵。


怖いのです。が、しばらくすると視たくなる。


不快、恐怖、語ってはならない残忍性、淫靡、醜悪、嘔吐したくなる作品や絵は
「漫画」ではなく、「劇画」と呼ばれました。

林静一は、上記お二人に比べ、抒情画です。一時、CMに起用されましたのでご存知な方も多いかもしれません。部屋に飾るには適しているかも知れませんが、画風も内容も、特に惹かれませんでした。人気はありましたがw

白土三平 「カムイ伝」は、映画化もされましたね。
ですが、あれは「外伝」であり、あくまでも、白土氏の描いた壮大なストーリーとは異なります。エタ・ヒニン・・

差別制度と抜け忍が核


水木しげる、あがた森魚などは、テレビに露出しましたから、ご存知の方多いでしょうか。
つげ義春も映画化されましたし、(これは以前触れましたので割愛します


ところで・・私的な逸話を♪

私は、所謂、ガロの”1ファン”ではありません。


長井さん含めガロの漫画家数人と、私、知己にて
ある方にモデルを頼まれた事あります。

彼の要望のまま、例えば、横顔、立ち姿、お茶を飲む、煙草をふかす、などなど
写真に撮られ、写真を元に、漫画が完成しました。

ヌードだけはお断りしましたね。今思えば、何故、脱がなかったのだろうと、無念。

ふふふ♪
どの作品だ!?って、興味抱かれるでしょ?
内緒(笑) 

ある漫画家とは、屋台でお酒を呑み
「○○さん、子を産んで下さいよ。日本の為に、ガロの世代を、俺らの精神を継承すべき次世代を作って下さいよ」と
まぁ、したたかに酔っていたせいもありましょうが、
突如、彼は私に手を伸ばし・・そのまま膝に頭ごと沈みました。


泣きながら、私の下腹部を撫でるのです。

厭らしくなく、必死に
「子、生んで下さいよ~」なんて、ね。

後に、違う方から、「ヤツの手だよ。厭らしいんだよ。手が動いただろ?」なんて
真面目に心配されましたが・・大丈夫♪ 私は、NOを言う女ですから。

私は、彼の頭部を撫で続けました。
どうも、昔から、男の涙に弱いフシありますね(苦笑


良き青春期、懐かしい無頼派。社会不適合者、狂気、末路は、苛酷な方が多いのですが、作品は多くの方に影響及ぼしました。
こういう経緯ありて、正常とは何か、異常とは?普通とは?と常に疑問視する私です。

漫画というジャンルにどうしても括れない彼らの作風、業、こよなく愛すべき青春群像。
その切れ端にちょこんと住めたという事は、私の大きな喜びです。

通常の倫理や価値観と無縁の個性は、小説にせよ、絵画にせよ、詩、音楽、素晴らしい創造を残します。

稀有なる感性、資質、痛々しいほどの苦悶や叫び、それらを露悪と呼ぶならそれも良いでしょうが。

揺す振られる魂は、あるわけです。

以前に書きましたが、およそ創造・創作というモノについて、議論など、笑止!なのよ。

惹き付けられるか否か、好ましいかそうでないか、それだけのこと。

観て頂きナンボ、読んで頂き、ありがとう、です。


作品と人格は別なのか?と呟いたサリエリの落胆・・
いやぁ、変だから生み出せるのよ、って、私の帰結ですが♪









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