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雑記と私#34:愛は地球を救う

※この記事は『機動武闘伝Gガンダム』の
ネタバレ及び過剰な作品愛を含みます。
閲覧の際はご注意ください。


今日もあるフォロワーさんの”つぶやき”から。

これを見て最初の文が引っかかってしまった。
「Gガンダムの終盤が蛇足」だって?!
このツィ主さんはそうとは考えていらっしゃらない
ようだが、そもそもGガンダムをちゃんと観て
ストーリーを理解していれば、こんな馬鹿げた
論評は出てこないハズなのである。


ご存知ない方のためにざっくり説明しておこう。
『機動武闘伝Gガンダム』はそれ以前のガンダム
(アムロとシャアなど”ニュータイプ”と呼ばれる
登場人物を中心に”人は分かり合えるのか”を
テーマに描かれた世界)とは別の世界線でのお話だ。

人類が宇宙に進出した未来。
各国は大規模な戦争を避けるために4年に一度、
選ばれたファイターを代表として国の威信を掛けた
「ガンダムファイト」による”代理戦争”を開催。
(作中では”理想的な戦争”とも揶揄されている。)
このガンダムファイトに優勝した国が以後4年間、
世界をリードしていく、というストーリーだ。

ちょうど今オリンピックが開催されているが、
一番メダルの多かった国が世界のリーダーとなると
考えていただければわかりやすいだろう。

人類の多くが宇宙で暮らすようになった世界で、
このガンダムファイトは”地球を舞台リング”にして
1年間戦いが繰り広げられる。

ガンダムファイト国際条約第七条『地球がリングだ』。

この”Gガン”のテーマはズバリ『愛』である、
と私は思っている。
というか、そうとしか捉えられないのだ。

主人公でありネオジャパンのファイターである
ドモン・カッシュは作中で色々な人と出会い、
あるいは再会し、また時には別れを経験しながら
激しい戦いの日々を過ごしていく。
そこに描かれているのは家族愛、師弟愛、仲間との
絆、そしていつも自分を支え続けてくれた幼馴染の
ヒロイン、レイン・ミカムラへの愛情である。
時にはその愛ゆえに苦悩し、憎しみ合うことさえ
ある。しかしそうした事すらもやがては乗り越え、
経験と成長の糧となっていくのだ。


ここから先述のツィートの解説に入ろう。
ストーリー終盤、ドモンは決勝にて師匠である
”東方不敗”マスターアジアと対決する。

前回大会の優勝者であるマスターアジアは、
繰り返されるガンダムファイトによってすっかり
荒れ果ててしまった地球の惨状を嘆き、人の道を
踏み外してしまう。
今大会を通して成長を遂げたドモンはそんな師匠の
過ちを正し、その思いに涙しながらも師匠超えを
成し遂げ見事優勝を飾り、そして師の最期を看取る。

涙なしには見られない名シーンである。
あまりにも印象的なシーンとストーリー展開で
あるがゆえに、その後に続くストーリーを
”蛇足”だと一部のファンは声を上げている。

が、しかしである。
そんなファンに私はこう言いたい。

師、マスターアジアの有難いお言葉。

決勝戦の後、ヒロインのレインは何者かに攫われ、
世界は地球規模の危機に瀕することになる。

この危機に対してレインを救ったのは
ガンダム史上、いやアニメ史上類を見ないであろう
ドモンの一世一代のアツい愛の告白であり、
地球そのものをも喰い尽くさんとする”化け物”
(引用ツィートにある画像がそれ)から世界を
救ったのはドモンとレインの愛の力である。

Gガンダムを知らなくても知ってる人の多い
有名すぎるシーンなので詳細は割愛。

『愛は地球を救った』のだ。


この”愛”をすべて描ききってこそ初めてGガンダムの
ストーリーは完結する。
蛇足なものなどありはしないのである。

師匠とドモン観たら終わりちゃうねん。
何処に目ぇつけとんねんて。
お前は今まで何を観てきたんや!

・・・ぜぇ、ぜぇ。


今年『機動武闘伝Gガンダム』は30周年を迎え、
新たに外伝が展開されるなど、放送当時以来の
盛り上がりを見せている。

当初は「ガンダム同士がプロレスしてる」だの
何だのと否定的な意見も多かった作品ではあるが、
ガンダムの歴史においてもひとつの分岐点となり、
のちに”アナザーガンダム”と呼ばれる宇宙世紀以外の
ガンダムがシリーズとして今なお続いてるキッカケを
作り出した名作だ。

もしゲームなどでなんとなくは知っていても
「ちゃんと見た事がない」という方がいらっしゃれば
是非とも一度ご覧いただければ幸いである。

その熱量、知ってしまうともう逃げられないハズだ。

それでは、ガンダムファイト!
レディィィ、ゴーォォッ!!


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