(24)国民年金の第1号被保険者について その4
現在の年金制度が施行されたのが、昭和61年(1986年)4月からです。しかし、学生については、5年遅れて平成3年(1991年)4月から国民年金に強制加入となっています。この時期辺りで学生だった方は、国民年金の加入履歴を見る場合には、記録漏れだと勘違いせず、きちっと年齢(20歳以上かどうか)と入学・卒業の年月日を確かめる必要があります。
平成3年(1991年)3月31日までの学生だった期間は、国民年金には強制加入ではなく、国民年金に加入しようと思えば、任意で加入するしかありませんでした。ということは、「任意加入をした場合」と「任意加入しなかった場合」とに分けられます。
学生だった期間に国民年金に任意加入していた期間は、現在の任意加入被保険者としての被保険者期間として取り扱われます。
☆☆☆☆☆資料35 ~ 学生に対する取扱い/平成元年改正附則第4条
①改正前の国民年金法第7条第1項第1号イ(前回の資料34の②の1の※
のa)に該当した者であって、改正前の任意加入被保険者であった被保険
者期間は、改正後の国民年金法の適用については、改正後の任意加入被保
険者としての被保険者期間とみなす。(第3項)
★★★★★資料35はここまで ~
ただし、この場合にも2つに分かれます。国民年金に任意加入していた学生が国民年金の保険料を納めた場合には、「保険料納付済期間」としてカウントされますが、もし国民年金に任意加入していた学生が国民年金の保険料を未納(滞納)して場合には、「合算対象期間」となります。
☆☆☆☆☆資料36 ~ 老齢基礎年金 お手続きガイド/厚生労働省発行のリーフレットより
①任意加入未納期間
・・・ 平成26年4月1日以後、合算対象期間に算入する。
★★★★★資料36はここまで ~
一方、学生だった期間に国民年金に任意加入しなかった場合は次のように取り扱われます。
☆☆☆☆☆資料37 ~ 学生に対する取扱い/平成元年改正附則第4条
①改正前の国民年金法第7条第1項第1号イ(前回の資料34の②の1の※
のa)に該当した期間は、改正後の国民年金法附則第9条第1項(下記の
②)を適用する場合にあっては、国民年金の合算対象期間に算入する。
(第1項後半)
参考までに ~
②保険料納付済期間または保険料免除期間を有し、保険料納付済期間、保険
料免除期間及び合算対象期間を合算した期間が10年以上であるものは、
第26条ただし書(下記の④)に該当しないものとみなす。(改正後の国
民年金法附則第9条第1項/老齢基礎年金等の支給要件の特例)
③老齢基礎年金は、保険料納付済期間または保険料免除期間を有する者が6
5歳に達したときに、その者に支給する。
(国民年金法第26条前半/老齢基礎年金の支給要件)
④ただし、その者の保険料納付済期間または保険料免除期間とを合算した期
間が10年に満たないときは、老齢基礎年金は支給しない。
(国民年金法第26条後半/老齢基礎年金の支給要件)
★★★★★資料37はここまで ~
上記の資料36の①や上記の資料37の②に出てきました「合算対象期間」については、次回お話しします。
ちなみに、平成3年(1991年)3月以前に国民年金の任意加入の対象であった学生だった方で、国民年金に任意加入していなかったような場合には、たとえ障害等級1級や2級の障害を負ったとしても国民年金からは何の給付も受けられませんでした。
しかし、任意加入の制度を知らなかったような場合など、障害基礎年金を受け取ることができない方々などを救済する目的でこの特別障害給付金の制度が作られ、平成17年(2005年)4月から特別障害給付金を受け取ることができるようになりました。
今回はここまでです。またよろしければ次回(9月17日予定)もお読みください。
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