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時は流れて

夏至が過ぎ、梅雨が明けて、あっという間に8月を迎えた。

7月は、姉との会津へのツアー旅行から始まった。
自分でフードを食べれなくなったサラのお世話をパパさんにお願いしての旅行が、帰りに羽田空港が激しい雷に見舞われ欠航になり、ターミナルで一晩過ごす羽目になった。
改めて普通のことに感謝をさせられる意味深い旅となった。

はじめて訪れた会津地方は武士道の文化と歴史の深さを感じる素晴らしい場所だった。
梅雨というのに雨にも打たれず、大内宿、鶴ヶ城、猪苗代湖、浄土平などなど初めて目の当たりにするに光景に感動した。そして最終日は初めての日光、華厳の滝を観ることができた。

大内宿
浄土平
華厳の滝
水は調整して滝から流れ落ちているのだそうだす

猪苗代湖は越冬するためにたくさんの白鳥がくる湖らしい。
何気なく撮った湖の写真を見てみると、神々しい白鳥の姿が現れていた。
病気のサラをパパさんに託し、不安な気持ちを払拭しての今回の旅だった。心配性の私が不安を手放して、この旅を楽しんでいることを祝福してくれているようで嬉しい気持ちになった。

雲が白鳥の翼のよう、天使にも見える
この湖はとても気持ち良い風が吹き、
気が洗われる場所である。
磐梯山を背に広がる美しい湖、
猪苗代湖
とても居心地の良い、気の休まる土地
湖には白龍様がいるのではなかろうか?

帰宅早々、すぐサラに会いに行った。
パパさんのおかげもあり、シリンジでご飯も食べれて、エアコンで部屋も涼しく管理してもらい元気そうでホッとした。
鼻の下には3日分のデッカイ鼻〇〇の塊がついていたけれど、ここまでは頼んでなかったので、しょうがないと思った。これは良しとしてそれを拭ってあげた。
夫は仕事をしながら、私の空港泊まりを含めての予定外の3泊4日の旅を、愚痴ひとつ言わず、6匹の猫たちの世話をしてくださった。
今回も夫にありがたい気持ちが溢れ、感謝度の目盛りが沸点まで達した。
感謝しすぎて熱くなったのか、旅行後すぐに私は発熱。それから、1週間コロナで夫のお世話になることに。

コロナは二度目だけれど、部屋にじっとしていると時間はたっぷりあるのに寝ること以外何もする気が起こらない。
これもコロナの影響なのか、7月は
珍しく気持ちが落ち込んだ。
病気のサラとはずっと過ごすことができて、そのことはよかった。
かなり進行しているのでひょっとしたら最後の時間を過ごすことができると思った。

7月になると体重はかなり減ってきたものの、食べ物を催促するサラの姿に強い生命力を感じた。もちろん、もう病院には、抗癌治療しかないと、さじを投げられた時点から連れて行かず、ストレスがかかる点滴治療もせずに家で看取る事を決意した。
5月末からうまく食べれなくなり、水も自分からは飲もうとしないため、水分補給のパウチや介護食で命をつないだ。

2階のベランダにて、
夕飯を食べてまどろむ姿
7月20日


少しずつタイミングを見ながら与える。無理じいせずに優しく優しく
旅行前の様子
食べやすいように水で薄めたりしてシリンジであげます。
ドラッグストアなどで手軽に購入。
満足だにゃ〜

7月31日、気温が30度を越しはじめた10時頃、サラに大きな痙攣が起きた。私がエアコンを入れようと2階に上がってみたらベッドの下でもがいていた。
そういえば、この日は朝からやけに私に甘えて鳴いていた。何か異変を感じていたのかもしれない。
早速、暴れても怪我しないように安全な場所を確保して見守ることにした。それは2時間おきに起きて、頭を軸にしてコマのように体がクルクルまわり、その後に口を開けてハアハアとお腹はポンプのように動かしながら呼吸をする。過呼吸状態がしばらく続くのだ。
サラとの別れを感じた私は仕事を休んで1日付き添った。しかし、心臓の鼓動は、止まることはなかった。
これまで7匹を看取った私の直感は外れた。そして、ここ1週間で4回ほど危篤状態になった。
その度に体を撫でながら「うちの子でいてくれてありがとう」とお別れの感謝の言葉をかけるが、1時間ほどで小康状態にもどり、落ち着くのである。

すごい、この子は生きようとしている。サラの生命力の半端ない強さを感じて、びっくりした。
大丈夫、この子はまだ死なない。

会津で買ってきた赤ベコがお守り
痙攣も収まって穏やかになってきた

危篤状態を何度も克服するうちに腫瘍が小さくなってきている。リンパ腫は栄養源がなくなり、そしてこの子はその腫瘍を栄養源にして生きているのではないかと思えてきた。

サラは奇跡を起こすかも。
奇跡を信じて今日も少しずつスープ、水を口に含ませている。
私のすべきこと、気持ちよく寄り添うこと。
編み物をしたりしてリラックスしよう。

サラに寄り添いながら余り毛糸で
手作り飾りゴム
同僚の子供さんたちにプレゼント


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