番外編:早いドリブルになる程繊細なタッチが大事
よく攻撃の選手がいいところでボールを奪取し、そのままペナルティエリアに侵入したものの、ボールタッチが強くてキーパーに取られてしまう、といったシーンを見た事はないでしょうか?
前に素早く前進するには前足に重心をずらし多少前傾姿勢になって後方に足を蹴り出さないことには前に進むことができませんよね?
だけど、その動きの中でボールも前進させるためには足の甲でボールの側面を適度な力で触れ押し出し続ける必要がある。
ものすごく高度な足捌きが必要であり、頭で考えながらやれるものではなく、長年培ってきた経験に伴う感覚によって実現しているものと考えられます。
メッシのドリブルは早くて小刻みであり、ある意味理想的なドリブルの一形態だと思います。
同じ区間をドリブルするにしても、他の選手に比べメッシは圧倒的にボールタッチ数が多いだろうと思います。
ボールに触れる回数が多いと言うことは、それだけ状況の変化に対応しやすいことでもあるし、スピードが早いのにタッチ数が多いのは、力の制御が絶妙なんだと思います。
冒頭で言うタッチが大きくなるといったミスはほとんど起こらないと思います。
自分の身体を前進させるために地面を強く蹴り出す必要があり、そのために足の筋肉がしっかり収縮して全力で伸びる動きが必要なのに、地面から足が離れた瞬間にはすぐ近くのボールを繊細にタッチしてそのボールも足元から制御できる範囲内に転がしながら移動させないといけないのです。
そしてボールと足先の距離は限りなくゼロの方がいい。
一般人からすれば、異次元に近いことをサッカーのプロ選手らはやってのけているんです。
観ていて気持ちが悪くなるほど奇妙な光景です。
でも、この領域に入っていかないと他の選手との違いが見出せないでしょう。
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