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【あいさつ以上!初めてできた】私の、今ドキ、ご近所付き合い

こんにちは、星空乃 雫(ほしからの しずく)です。
今回は、今の私のご近所付き合いについて書いてみたいと思います。

「近所付き合い」
この言葉を聞くと、どんなイメージですか。
私にとっては、苦手、したくない、できれば避けたい・・・といったイメージが強いです。

昔はこうだったとか、疎遠になったとか、だから今の人たちはとか、そういうお叱りの言葉も聞こえてくるのも十分承知しています。
ちなみに、実家の周りでは、家の並びの人は分かりますし、お会いすればあいさつだけはしますよ。
昔は、その家の子が何年生とか、どこの学校に行っているかとかも知っていましたが、今はもうその子たちがどうなったか、何も知りません。

高校を卒業してから今まで、アパート暮らしで何年も過ごしてきました。
大学生進学と同時に1人暮らしを始めて、それから住んだアパートの数は、今、5軒目です。
今までの4軒は、本当に何も近所付き合いなんてありませんでした。
町会もない、回覧板もない、ゴミ当番もない、何もないところでした。
中には、隣の人がちょっとクレーマー的なアパートもあって、すごく嫌な思いをしたこともあったので、なおさら、もう近所付き合いなんて要らない、と思った時期もありました。
今のアパートはまだ恵まれていて、隣のお部屋の方とか、顔を合わせればあいさつはします。
でも、その程度といえば、その程度でした。

それが、ここ1、2年ほどは違うんです。
LINEをしたり、ちょっとしたお土産を渡したり。
そんな近所の方が初めてできたんです!!!

【出会い】

仮名で、京子さんとお呼びしたいと思います。
コロナ禍の、ある年の春、京子さんは引っ越してきました。
ご夫婦2人暮らしのようでした。

今のアパートに引っ越してきてから、いわゆる「引っ越しのあいさつ」もしなくなりました。
それまでは、一応していたんですが、周りもしていなかったので、自分もやらなくなりました。

ところが、京子さんは違っていて、引っ越してきてから、わざわざあいさつに来てくれて、あいさつの品まで頂いて。
そこまでしていただくと、逆に印象に残ったので、外で会えばあいさつするという、今までと同じことは続けていました。

それがある時から、ご主人は時々見かけるのですが、京子さんの姿は全然見なくなりました。
最初は、タイミングが合わないだけなんだろうと思っていましたが、京子さんは仕事をしていないようでしたので、時々はお会いしていたんですよね。
それが本当に全く、気配も感じないようになってきて、あれ?と思ったことが、自分が京子さんに関心を向ける、そもそものきっかけでした。

実は、ここだけの話、もしや事件では!?なんて思ったりしていました。テレビの見過ぎですかね(笑)
でも、そういうことも、もしかして、もしかしたら、あるかもしれない?!とちょっと心のどこかで思って、ドキドキしていました。
京子さんが引っ越してきたのが春、姿を見ないなと思ったのは、その年の秋のことでした。

【真相判明】

その真相が判明したのは、年が明けた冬になります。
ある日曜日、家にいたら、チャイムが鳴りました。
カメラで見ると、ご夫婦2人の姿。
インターホンで出て気付いたのが、なんと!京子さん!!
びっくりして、外に出ました。

「家族が増えたので、あいさつに来ました」

なんと!!京子さんは、里帰り出産をされていたんです!!

そして、
「これからご迷惑をおかけすると思うので」
と、地元のお菓子を持って、あいさつに来てくれました。

なんてできた人なんだろう・・・

ただただ、関心するばかり。
ここまで頂くばかりになってしまい、申し訳ない。
というより、なんでおめでたい!!

今まで事件すら疑っていた私は、その恥ずかしさも勝手に感じながら、京子さんに地元の和菓子をプレゼントすることにしました。
明るい色使いで、かわいらしくて、おめでとうという気持ちが伝わるお菓子を選びました。
もちろん赤ちゃんは食べられないですが、京子さんとご主人が、少し楽しんでくれればいいかなと思いまして。

後日、そのお菓子と、メッセージカードと、それからお返しについては遠慮させていただきたい、ということを書いて、玄関に置かせてもらいました。

当時は、コロナは2類扱い、まだまだ流行中だったので、小さな赤ちゃんのいる京子さん一家に何かあったら大変ですので、チャイムを押して、置いて、失礼した記憶があります。

【勇気を出して、次のステップへ】

さて、それから数日して、ポストに一通の手紙。
なんとなんと!京子さんからでした。
お隣なのに、わざわざ丁寧なお手紙に、お菓子がとてもうれしかったことと、お返しの代わりにせめてお手紙を、ということが書いてありました。

なんて、なんてできた人なんだろう・・・。
私にとって、ますます京子さんは、イメージ爆上がり、なんてすごい方なんだろうとなっていきました。

数日後、私も返信を書くことに。
そして、私はそこで、思い切った行動に出ました。
それは、手紙と一緒に、自分のLINEのQRコードを印刷して、同封したんです。

それは、友達になろうという気持ちより、もしも緊急で困ったこととか、災害とか、そういう困った時、やはり近所で助け合うことは必要だと思ったからです。
京子さんは引っ越してきて、この土地に親族はいないだろうから、せめて何か力になれる時は連絡してください、ということを書いた記憶があります。

さらっと書きましたが、随分悩んだし、随分勇気を振り絞ったんですよ。
不快に思われないかとか、かえって怪しまれないかとか、すごく悩みました。
でも、それならそれでいいやと、最終的に開き直って、手紙を投函させてもらいました。

その結果・・・

すぐに京子さんから、LINEが!!
そして、孤独だったので、手紙も、そしてLINEもすごくうれしいということを書いてくださっていました。

それを見て、もう嬉しくて、嬉しくて!!!!
やっぱり京子さん、いい人だった!!!
気配りのできるすてきな京子さんは、LINEの文面もやっぱりすてきで。
分かりやすい文章、適度でセンスのいい絵文字。
それに比べて私は・・・(涙)
手紙以上に悩んで悩んで、何とか返信してたのを覚えています。

【今に至る、お付き合い】

それから、時々、物をお渡ししたり、頂いたりする関係になりました。
コロナが5類になるまでは、やはりお子さんもいるし、対面で会うのは申し訳ないと思い、時々渡したいものがあったら、お互いLINEして、玄関の前に置かせてもらう、ということをしていました。
いわゆる「置き配」みたいなものです。コロナ以降に定着しましたよね。

隣の部屋なので、本当に楽なんですよね。
LINEして、「〇〇があるので、置かせてください」って伝えて、OKもらったら、玄関をさっと出て、ドアノブにかけて、「置きました」みたいな感じで。
そして、頂いたほうは、「ありがとうございます!」っていうことをLINEで返して。
壁1枚向こうには京子さん一家はいるんですけど、でもそんなライトな関係も、それはそれで楽で、そんな感じで、無理なく、京子さんと付き合えています。

外でお会いする時って、お互い出掛けたり、帰ってくる時なので、会ったとしてもバタバタしていることが多くて、あいさつぐらいしかしないのですが。
でも、自分のペースに合わせて、そうやってやりとりできるようになりました。

京子さんから頂くものって、本当にセンスのよいものばかりで、
ご主人の実家からの果物とか、京子さんの地元お菓子とか。
一方、私はというと、今住んでいるのは地元なんですが、この時期に食べるお菓子なんですっていう、地元の習慣ってありますよね。
そのお菓子を買った時に、「あ、京子さんの分も」と思ったらそれを渡してみたり。

自分にできる範囲で、無理せず、したいなと思った時に、お渡ししています。
そして、そのお礼の時に、ちょっと近況も含めたりして。
そのおかげで、京子さんが、今はしていないけど、どんなお仕事をしている方を知ることができました。
私は医療系の仕事をしているのですが、なんと京子さんも医療系のお仕事の方!
その共通点がびっくりでした。
でも、それ以外、私は京子さんのことは何も知らなくて、それこそ年齢も知らないです。

でもそれでいいのかなと。
むしろ、こんなふうに近所の方とLINEを交換して、たまに何かお渡ししたりする関係なんて、本当に初めての経験です。
コロナ禍だったからこそ、玄関に置いておきますという、簡単な渡し方も、しやすくなりました。
昔の、いわゆる近所付き合いとは違いますが、でも私なりの、そして今に合った、無理のない近所付き合いができているのではないかな、と思います。

でも、思えばそれもこれも、京子さんというすてきな人のおかげなんですけどね。
結局、相手次第といえば、それまでなんですけど、でも自分もそれに乗っかってみたのは確か。
相手の懐に飛び込む、というほどの勇気はないですが、
でも相手の優しさに少し甘えながら、時々自分の勇気を出しながら、せっかくのこの関係をこれからも楽しんでいきたいと思います。

そんな今日も、京子さんから果物を頂きました。
何回目かになる、ご主人さんの地元からの果物。
ありがたい限りです。
同じアパートに数年住んでいるのに、京子さんが来てからの景色は、少し違うように、そして前より穏やかに感じる、今日この頃です。
さあ、早速いただいた果物を冷やそう。

#ウェルビーイングのために

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