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詩のような、エッセイのような、日記のような


ちいさなものでありたいのです

たとえば
死んだときにはすぐにみんなから忘れられてしまうような
そんなちいさなものでありたいのです

私が死んだことでだれも泣かずにすむような
そんなちいさなものでありたいのです

それの難しいことは知っています

私は人間です
何処にでもいるような人間です

人間という
自己顕示欲にまみれた
人から認められたい、褒められたい
そんないきものです

人からすぐに忘れられるということは
自分という存在が認められず
自分の行いもなかったことになる
そんなさみしいことです

そうだとわかっていても
そうだとわかっているから
私はちいさなものでありたいのです

私が私として、胸を張って死ぬために
私の思う、あるべき人として死ぬために

誰にも振り回されず
何にも流されず
自分の信じる、一つの芯を持って
それに従って生きていく
そんなちいさなものでありたいのです

しかし私は、それと同時に
確かにこの世界で生きた
この世界で何かを成したものでもありたいのです

私より後を生きる誰かのために死んだ
そんな何かでもありたいのです

だから私は
そっと言葉を残していきましょう
そっと何かをおいていきましょう

それが何かの、誰かの助けになるのなら
一等幸せだとは思いますが
それであっても
何処かにいた、名前のない
そんなちいさなものが勝手においていった
その程度のものとして頭の片隅におかれるように



ちいさな、ちいさなものでありたいのです

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