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PBSの三層支援

 PBS(positive behaver  of support)では、対象の生徒達を三層に分けて支援の方法を考えます。
 第一層は、80〜85%の生徒が属する、殆どリスクのない層です。第二層は、10〜15%の生徒が属するリスクの高い層です。そして第三層は、5〜10%の生徒が当たる、かなり高いリスクがある層です。
 新生徒指導提要では、四層に分けた支援を提示していますが、PBSの分類の方がシンプルですし、実際の支援を検討する時にも三層で充分役に立ちます。
 高等学校で支援を検討する時に、まず行わなければならないのは、第一層への支援です。不適応や障害を起こしやすい文化を作り、多くの高度な支援をしなければならない状況は、何かが捻れている気がします。また、学校の不適応は、授業や学習の状況に焦点を当てて見ていきます。学習が学校生活の中心であり、学習のつまずきが不適応を発見するきっかけになることも多いのです。
 第一層への支援の中心は、ユニバーサルデザインになります。私達は自分達が経験してきた授業の方法が標準だと思い、ついてこれない生徒が悪いと思いがちですが、目標を全ての生徒が合格することにおいて方法を吟味しなければなりません。字の大きさ、フォントの種類、プリントの構成、画像の使い方などを研究すべきところはいろいろあります。
また、プリントを配った時に、生徒が質問することなく、自ずと学習に集中して取り組めるよう手引きの置き方を工夫することも有効です。一回一回の授業で目標を明確にし、教える内容をシンプルにし、流れを組み立てておく努力をしておきましょう。
 第三層への支援は、高校では進路変更も視野に入ってきます。そのため、第二層への支援で積極的に外部機関、専門家に介入してもらうべきだと思います。しかし、現実には外部機関利用のための手続きは煩雑で、また予算に限界があり、配置人数が不十分なため、校内に溶け込んでいません。ともあれ、第二層、第三層への支援にかかる負担は大きく、それを軽減するためにも、またできるだけ多くの子供達が楽しく学校生活を送るためにも、第一層への支援に力を注いでいくべきでしょう。
 

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