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【詩】イミテーションダミー

目をつむった人たちが
ならんで立っている

何かの罰を受けているように
静寂が拡がる

見ることは暴力だ
聞くことは猜疑であり
話すことは欺瞞だ

誰かが
目や耳や口の代わりになるものを
探している

人が道を歩いている
何処か目的地に向かって歩いているのだ
私も歩いている

すると
人とすれ違ったりする
あるいは前をゆく人を追い越したり
追い越されたりもする

不思議に思えてくる
とても不思議な光景に思えてくる
人が道を歩く

歩いている

なりたかったものになれなかった後悔と
なりたくなかったものになってゆく後悔
どちらを嘘で葬り去るのか

取り返したいものがあるからここにいたのに
代替品は代替品でしかなかった
私が道を歩いていたなんて
嘘に決まっているだろ

異形のものや
似て非なるもの
それらを自分の代わりのものとするために
自分が逃げてゆく


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