![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/102294636/rectangle_large_type_2_ad1ae3faeecaf083d0f98375478fa187.png?width=1200)
【詩】人知れず沈殿するもの
水の粒子にさえある
わずかな差異が均衡を
震わす
その流れに
繊維が絡め取られ
無いものが
あるように
滞(とどこお)り
いつの間にか
繊維は糸となり
水の流れをも変える
澱(よど)み、澱(おり)となり
あなたの視線や
わたしの言葉に
触れるもの
触れなくても
生ずるもの
澱(おり)となり、澱(よど)みとなり
嫉妬や悲しみや
恋となるもの
人はそれを言葉にし
あるいは言葉にせず
語り、あるいは語らず
心という在りかを
どんな形にしようかと
人知れず沈殿する時間の
よるべない仕草として
彷徨う
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?