見出し画像

フリーランス始めました

フリーターにもなれない?
 失業保険の給付が終わり、いよいよ定期収入は無くなった。開業届を出し、編集やライティングを主にフリーランスでやっていくと決めたものの、定例の仕事はほぼない。「今何をやっているの?」久しぶりに会う友人にそう聞かれると、フリーと笑ってごまかしていた。
 時間があるならバイトをすればいいじゃない。求人サイトを検索してみる。銀座のバーのバイトを見つけた。食べることや飲むことが好きで、カフェやスナックなど人が集う場を作ることにも興味があり、これまで何度かスナックイベントを開催していた。バーのバイトでカクテルが作れるようになったらいいなと思った。しかも銀座! でも、行ったことのないお店にいきなり応募するのはどうだろう。雰囲気が合わないお店だったら働くのが辛いだろうな。勝手に思いだけが先走り、下見に行くことにした。
 ある土曜日の夕方、銀座に向かう。お店は雑居ビルの地下2階にあった。エレベーターで降りてお店のドアの前に立つ。中の様子がうかがえない重厚なドア。一見さんは来ないでと言っている感じで、開ける勇気が出ない。やっぱり帰ろうと地上へ戻った。いやいや、ここまできたんだから行ってみよう。もう一度自分を奮い立たせて思い切ってドアを開けた。18時半ごろだったが適度にお客さんがいた。ちょうどカウンターの端が空いていて席に着く。マスターは気さくな感じの方だった。ジンを使った飲み物を注文し、初めて来たことを告げると「え?初めて?(初めての客だとわかっていたはず)入りづらかったでしょう」バイトのことはなんとなく言えず、銀座のバーに来てみたかった、これから食事に行くなどとごまかし、1杯で店を後にした。
 数日後、応募してみた。応募フォームに必要なのは名前と住所と性別と年齢のみで、簡単なものだった。その数日後、不採用の連絡がきた。あ、だめなんだ。今年50歳になる。年齢のせいかなと思ってしまった。わざわざ下見をしに飲みにいかなくてよかったじゃない。思い立ったらすぐに行動してしまう自分がおかしかった。他にも飲食店ではないジャンルで、書類段階で不採用のバイトがあった。私、バイトもできないのか。現実を突きつけられ、心もとない気持ちになった。

会社を離れて
 昨年、会社都合での離職宣告を受けて、長年の会社員生活が終わった。ハローワークのセミナーなどでは正社員が正義、正社員を目指そうという話を何度も聞いた。それでも、正社員として働くことは考えられなかった。周りにフリーで仕事をしている仲間が多くいたこと、自分で考え自由に仕事ができたらいいと思ったことがその理由。でも、自分はフリーで生活していけるのか?優秀なライターさんはたくさんいる、自分だからできることをやらないと。色々不安になってくる。バイト不採用が重なり、その気持ちは増した。その直後、友人から紹介されたほぼ決定していたバイトも急に話が無くなった。
 そんなある日「バイトしませんか?」と知り合いのシェフが連絡をくれた。私が暇なことを誰かから聞いたのかもしれない。時間もある。トータルで1週間ほどの短い時間だったが、バイトをさせてもらった。人気店ゆえ正直、大変だったけどいい刺激を受けた。そして自分の気持ちが明確になった。

星読みが教えてくれた
 ここ数年でガラリと変わった環境や人間関係、このタイミングでの離職、そして一連のバイト不採用とバイト経験。私は勝手に「自分で道を切りひらけ」という目に見えないものからのメッセージと受け取った。そう考えるようになったのは約2年前から星読み(西洋占星術)を勉強していることも影響している。プライベートなことで色々とあり、なぜ自分はこうなのかと自分を見つめ直す時間が増えた。以前から人に占ってもらい、気持ちが前向きになった機会もあり、自分でできたらいいと西洋占星術を勉強するようになった。
 西洋占星術は一人ひとりの生まれた瞬間のホロスコープを読み解いていく。人それぞれ全く違うホロスコープをみていると、みんな違うんだという当たり前のことに気づく。みんなそれぞれ何かを持って生まれてきている。そして、宇宙の中で生かされているということも意識するようになった。改めて自分のホロスコープを客観的にみてみる。とにかく自分の才能、価値を活かして仕事をすること。人の目を気にしすぎるところがあるので、どう思われようと自分のやりたいこと、好きなことを発信していくといい。食べること飲むこと、美しいもの、書くこと、星読みをいかして、仕事をしたい。そう思った。
 自分が星読みによって、自分を見つめ直し、自分軸で生きていこうと思えるようになったこともあり、多くの人に「みんな何かしらの光るものを持っている」ことを伝えたい。そんなやってみたいことを周りに伝えるようにした。すると「ここでやっていいよ」と言ってくれる人が現れた。言葉にして伝えておくと、思い出してくれる人がいる。フリーランス始めました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?