子供達の日記

先日、家の大掃除をしていた。アカズの扉となっていた扉を開くと、まあ、出てくること、出てくること。これまで何年位この扉を開けなかったのか、思い出せない位だ。
沢山の子供達のおもちゃもあれば、子供達が産まれてすぐに書き始めた育児日記。産後ダイエット本まで出てきて、その当時の生活に一気に引き戻された気分になる。
まずは1番目の子の育児日記を読み返してみる。産まれて3ヶ月程は本当に大変だった。実家の母がまだ仕事をしていたから実家に帰らず旦那と3人での新生活。大変ではあったけど、幸せな時間でもあった。2番目の子供の産まれてすぐの育児日記は暫く入院していたから書けていない。3日に一回位の割合で「やっとミルクが180飲めた!」の一言位で終わっている。日記を書きながら眠ってしまったのか「今日は機嫌がーー」と、線をひいた形で終わってしまった日記もあった。最後まで書かずに寝落ちしてしまったんやなあと苦笑しながらも、精一杯の毎日を送っていたあの頃を懐かしく思い出す。
そして同時に出てきたのが、小学校に入学したばかりの頃に書き始めた子供達の日記。そっと開いてみると、1つ1つの文字が今にもノートから飛び出してきそうな位、元気な文字が並んでいた。「今日は、学校へ行きました。終わり」2秒程で読めてしまう日記だが、この日記を書くのに数十分はかかっていただろうな。いつも何を書けばいいのか頭を抱えていたから。二人目に至ってはもはや日記か詩かわからなくなってきていて「ねこ。水たまり。軽トラ。帰り道。」のみ。連想ゲームの問題じゃあるまいし…先生が丁寧に「学校からの帰り道、ねこにあったのかな?軽トラが水たまりの水をはねたのかな?」と解説まで書いてくれていた。もはや子供が書いた日記よりも先生の解説の方が長くなっている状態だ。読み進めていくと、やっと夏休み明け位から何とか文章らしくなってきた。「今日もカレーでした。明日もあさってもカレーです。なぜかというと、それはないしょです。」……日記を通り越し、家庭の食事事情を暴露されているような気分になってくる。ちなみにその日の日記の先生のコメントは、「先生もカレー大好きです☺」先生!優しいコメントをありがとうと今更ながら感謝してしまう。
大笑いしながら日記を読むのに夢中になっていると、息子から珍しくラインが届いた。早速見てみると、「肉、米、卵、マヨネーズ」…荷物を送って欲しいだけなんだろうけど、それにしてもあの頃の日記から少しも成長していない文章力に頭を抱えてしまう。
楽しかった事も大変だった事も、今となればいい想い出だ。身体も心も、もちろん文章力もあの頃よりかは幾分か成長した事だろう。また何年後かにアカズの扉を開く瞬間を楽しみに、そっと扉を閉めておいた。


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