剣道は正しく学び正しく行うものである
「正しい剣道」という言葉を聞くことがある
非常におかしな表現であると感じる
自分は「剣道そのものは正しいものであり、それを正しく学び正しく行う事が大事である」と言われ成程と思ったことがある
いっぽう真面目に「正しい剣道とは何か?」と議論されていることがある
そのこと自体が剣道が直面している課題を表していると思う
剣道を正しく学び正しく行なっていれば、段階における上手下手はあるにしてもそれは剣道であると思う
では何故「正しい剣道」という言葉が聞こえてくるのか
それは剣道の定義が曖昧になっているからだと考える
剣道が曖昧になっていることの要因の一つに、不完全なままの競技化があると思う
有効打突の要件に「刃筋正しく」とあるが、実際の試合ではかなり形骸化している様に見受けられる
そのため次々と革新的な試合のテクニックが構築されている
それに合わせた道具も作られるようになった
現実問題として、刃筋正しくしたらできないテクニックも増え、稽古で刃筋正しくする必要性も薄れ、剣道を刃筋正しく行う必要がなくなってしまっている
剣道は正しく学び正しく行う事が大事であるが、
「剣道において刃筋正しくは学ぶ必要があるのか?」
というところまできているようにみえる
剣道を正しく学び正しく行うために、
全日本剣道連盟や指導者が「剣道における刃筋について」をきちんと定義すべきだと考える
自分は刃筋は剣道の根幹であると考えているが、必要ないならないできちんと定義つけていくことが、剣道を導いていく立場の人々の責任であると思う
剣道を正しく学び正しく行うことが剣道の発展につながると考える
そのために「剣道」とは何かを明らかにし、正しく伝えてくれることを願っている