14日目・15日目(晴れ)+総括 30代夫婦のヨーロッパ珍道中


14日目 ミュンヘン駅から空港へ


旅行最終日。この日は午前中の飛行機に搭乗予定であったため朝早くに宿を出発。空港へ到着後カフェで朝食。レジ上に掲げられたメニュー表をgoogleレンズで翻訳。食べたいパンは決まったが、なんと発音すればいいのか分からないため、スマホでメニュー表を撮って店員に指差しで注文。二週間も海外に滞在すれば、このような対応も慣れたものである。
時間に余裕をもって行動したため特に問題なく搭乗手続きも終了。搭乗手続き中、海外の人が「あと数分で出発なの!」と慌てた様子で列に割り込んでいたことくらいしか特記事項はなかった。
飛行機に搭乗。今回は窓側の席を避けていたため、トイレもスムーズに行けた。行きで大体の搭乗時間を体感していたため、帰りの飛行機はさほどしんどさはなかった。変な時間の食事にも冷静に対応して食事を楽しむ余裕もあった。人間『慣れ』が大切である。

15日目 台湾から関空へ


ミュンヘンから台湾へ到着。乗り換え時間がタイト(1時間半くらい)であったため、すぐに乗り換えの手続きを済ませる。タイトと思っていたが、変に待ち時間がなく、ちょうど良い乗り換えだった。
飛行機に搭乗すると、窓際に座った女性が「どこに旅行されていたのですか?」と話しかけてきた。私は妻を挟んで通路側の席に座っており、疲れもあったため、会話は妻に任せることにした。妻は拙い英語でオーストリアやドイツに新婚旅行で行ったことを伝えた。「それは素敵ですね!楽しかったでしょう?」と女性は言ってくれたが、私も思わず身を乗り出して、夫婦そろって「とんでもない!」と返した。旅行中大変だったことを伝えると、「survived(生還した)」と返してくれた。海外経験のない者のフリープラン旅行は、まさにサバイバルであった。「yes、survived、survived…」。オウムのように復唱して女性に伝えつつ、その言葉を噛み締めた。

関空に到着


ようやく関空に到着。日本について一番の感動は『アナウンスで何を言っているのか分かる』ことであった。帰りは電車の予定だったが、妻から「バスで帰りたい」との申し出があり急遽バスで帰ることに。バス停で並んでいるとき、妻は思い付きで「ちょっと飲み物買ってくる」とどこかへ行ってしまった。しかもバスの発車ギリギリに帰ってくるという怠慢プレーに、私は一人でプリプリ怒っていた。
バス降車後、妻がだるそうにしていた。何をするにも「…うん」といった感じで、「少し休もうか」と提案しても「…別に。大丈夫」とエリカ様のような対応をする。私も旅の疲れがあったため、心配する余裕もなく「そうか…」と言ってそれ以上構うことをしなかった。妻はキャリーバックを引きずりつつ、だるそうにしていたので、見知らぬ店員さんに熱中症と勘違いされ「救急車呼びましょうか」と心配される始末だった。「大丈夫です」と答える妻に、再度休憩を提案したが、妻が「いい…」といったため、結局休むことなく家路につくことに。このような時、言葉そのものではなく、気持ちに寄り添って心配する姿勢を見せることが『モテ男』なのかもしれないが、『足クサ男』の私にその技術はなかった。後になって分かったことだが、妻は航空性中耳炎になっていたらしい。歩調だけは妻に合わせつつ、ゆっくりと帰った。

家に到着


途中スーパーに立ち寄り晩御飯を購入。出汁の料理に飢えていた私は、かつ丼とざるそばを購入した。レジに並ぶ際、軽く人とぶつかってしまった。とっさに「sorry」という言葉が出そうになった自分に驚きつつ、「ソ…すいません」と言い直した。わずか2週間で海外にかぶれてしまった。日本男児として情けない気持ちになった。
家に帰ってさっそく食事。かつ丼とざるそばがなんと旨いことか。こんなに旨いものが日常にあることに感謝しつつ、全力でかっこむ。「♪なんで~こんなぁ~に、おいしいのかよぉ」。大泉逸郎の『孫』の替え歌を口ずさみながら食事を終えた。妻も体調が回復したようで、スーパーで買った総菜を「おいしい、おいしい」と食べていた。食事の後は風呂。風呂は良い。旅の疲れがすべて溶け出していくような心地良さだ。私は湯船につかり、長いような短いようなこの新婚旅行を振り返りながら「survived…」とひとり呟いた。

旅の総括


見ている人もほとんどいないだろうこの記録だが、最後に今回のまとめを列挙しておく。もし、海外に初めて行かれる方がおられたら参考になるかもしれない。
・英語がわからなかったらすぐにgoogle翻訳を使う。リスニングだけでな  く、スピーキングにもgoogle翻訳が役に立つ。
・水は軟水(ヴォルビック等)を早めにゲットすること。体に染み渡る感じと回復量が硬水とは段違い。また、炭酸水を間違えて買わないように気を付けること。
・尋ねると親切に教えてくれる人が多かった。自分だけでなんとかしようとせず、人に助けてもらうことも大切。
・あらかじめ細かめにスケジュールを組んだほうがいい。一方で、詰め込みすぎず休みの日を組み込んでおくこと。
・移動だけでもめっちゃ疲れる。特に飛行機で移動する初日は疲労困憊。移動後はスケジュールに余裕を持つこと。
・薬は十分に持っていくこと。要らないと思っても多めに持っていくこと。
・脱ぎ着できるような服装で行くこと。夏場でも寒い場合がある。
・チップは「○○ユーロ(請求金額よりも多い金額)支払います。おいしかったです。ありがとう」というテンプレートで対応。
・調子に乗って早朝ランニングなどしないこと。無駄に体力を消耗すると体調不良を引き起こす。

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