3日目(晴れ)30代夫婦のヨーロッパ珍道中


朝食バイキング食い逃げ未遂


この日の朝食はホテルバイキングに行くことに。食堂へ向かうと、紳士的なウェイターが対応してくれた。部屋番号を伝えて、いざバイキング!と思った矢先、先ほどのウェイターが話しかけてきた。朝食サービスがついていないとのこと。途端に混乱する私。確認すると確かに朝食はつけていなかった。「sorry we are mistake…」と拙い英語で謝罪し、立ち去ろうとしたところ、40ユーロ(6000円ほど)を後ほど現金で支払えば朝食を付けられるとのこと。妻は「せっかくだし食べようよ」とニコニコと乗り気。私は〈40ユーロは高いし、まだ2日目やから手持ちの現金が足りなくなるかも〉と思いつつも、結局食べることに。

私は先ほどのやり取りで食が進まなかったが、妻は笑顔でモグモグ食べておかわりもしていた。うらやましい限りである。食後、チップをどうするかという話になった。バイキングではチップは不要というネット記事も見たが、先ほどのウェイターが食事中も「美味しいですか?」「コーヒーはいかがですか?」等と気にかけてくれたため支払った方がいいのではないかという結論に。ただ、当のウェイターがどこかへ行ってしまった。私たちは仕方なく、テーブルに2ユーロを置いて去ることにした。

満足して、少し散歩でもしようかと話していたところ、先ほどのウェイターが慌てた様子で声をかけてきた。どうやら食堂から出るタイミングで現金の支払いをしなければならなかったようだ(我々は本日のチェックアウト時に払えばいいと思い込んでいた)。一つ間違えれば食い逃げになるところであった。

窓口でのやり取り


本日の予定では、ウィーンからチェコのプラハに移動する。列車のチケットがネットで買えなかったため窓口で購入することに。事前にgoogle翻訳でどのようなチケットが必要かを書き込んで窓口へ。
若い男性のスタッフが親切にgoogle翻訳を使用して日本語を表示しながら案内をしてくれた。ただ、予約席は取れないとのこと。オーストリアの列車は、自由席の車両と予約席の車両が分かれているわけではなく、【自由席】=【予約席になっていない座席】を自分で見つけて座る方式とのこと。私は妻に座席の上の表示を見て、予約席になっていないところに座るというルールを伝えて乗り込むことになった。

移動する列車で舌打ちをされる


いざ電車に乗り込むと、さっそく妻が「ここ空いてるよ!」と元気よく伝えてきた。座席の表示を見ると『reserved』という表示が光っていた。もう一度妻に自由席のルールを説明。こんどこそ座席を確保。ただ、2列の横並び席は取れず、前後で座ることに。確保できた席はお互いに2列席の片側。空いている座席が、窓側か通路側なのか分からなかった。

妻は確保した座席に適当に荷物を置くと、「キャリーケース置き場に行ってくる!」と席を離れてしまった。私が〈2列のどちらが予約席なのか〉ということを気にしてそわそわしていると、自由席を探している外国人のカップルが来て妻の座席に座ろうとした。妻は間違って【自由席では無い方】に荷物を置いたようだ。
 
私は何とかしないといけないと思い、座ろうとする女性に話しかけた。相手は早口の英語で何か言うが分からない。私は「sorry this seat… my wife…」と言うのがやっとであった。
指さしながら必死に説明する私。女性は意図を理解したらしく「チっ!」と舌打ちしてどこかへ行ってしまった。その直後、妻が笑顔で帰ってきた。この感情をどうすればいいか。私はもやもやした気持ちで列車に揺られた。

石畳の道で不機嫌に


プラハには1泊する予定であったため、まずはホテルに向かうことに。その道中、石畳でキャリーケースのローラーが転がりづらかった。途端に不機嫌になる妻。私も電車の一件で、もやもやしていたので、お互い無言のままホテルに向かうことになった。
これまで日本に来る旅行者が大きなリュックを背負っているのを見て、なぜあんな重たいものを背負っているのか疑問に思っていたが、この石畳で分かった気がした。ホテル到着後、両替と帰りのチケットを買いに行くことに。

一言も口を利かない両替おやじ


両替はgoogleマップの口コミが良いところを選んだ。日本人の書き込みで「とても愛想が良くレートも良い」とのことだったので期待して向かった。しかし、いざ両替所につくと不愛想なおやじが二人。闇商人の目つきである。両替してほしいユーロを渡すとジロリとこちらをにらみ、チェコの通貨を投げるように渡してきた。一言も口を聞かずに両替は終了。レートが良いのか悪いのかもわからない。愛想の良いおやじなどどこにもいなかった。

切符窓口の不愛想なおやじ


その後、翌日分のチケットを買うために駅窓口に並ぶ。前の人の処理が終わったため、私たちが空いた窓口に移動すると、何も反応しない窓口オヤジ。「excuse me」と声をかけると、おやじは我々を一瞥した。
私がgoogle翻訳の画面を見せると、おやじは無言のまま処理を進めた。一応、グーグル翻訳の画面で「これで間違いありませんか」という日本語を表示したが、終始偉そうな態度だった。この国のおやじには愛想というものがないのであろうか。

そんなおやじを見て、私はふと犬の気持ちになった。犬も人間が話す言葉は少ししか分からない。犬と私は同じ境遇である。このおやじも優しくドイツ語で声をかけながら笑顔で接してくれれば、こちらもブンブンと尻尾を振るのに。そっちがその気ならこっちだって。言葉に出せない私は、心の中で「ウーッ」と威嚇した(実際は何もしていない)。何とかチケットは買えたが、日本のサービスに慣れ切った我々は、もやもやした気持ちのまま窓口を後にした。

チップの払い方


チケットを購入した我々は食事へ向かうことに。妻が行きたいというカレル橋近くのチェコ料理店に行った。私は道中〈チップどうしよう〉等と不安でドキドキしていた。
席に案内され、陽気な男性スタッフが登場。我々が日本人だと伝えると「コンニチハ」「オイシイ」などの片言で楽しませてくれた。ビールと煮込み料理、前菜の盛り合わせを頼んだ。ビールに期待していたが、特別美味しいとは感じなかった(まずいわけでもない)。あるいは緊張していて味どころではなかったのかもしれない。

さて、一通りの食事を終えてチップをどうするかという話になった。先ほどの陽気なスタッフに会計とチップを渡そうとタイミングを伺っていたが一向に現れない。仕方なく、他のスタッフに会計をしてもらうことに。渡されたレシートには「料金にチップは含まれていない」という旨が英語で記載されていた。事前にネットで調べていた通り、数ユーロ余計に支払って、google翻訳で「おつりはいりません」と伝えた。どうやら正解だったようで「センキュー♪」と言われてチップを支払うことができた。経験から学んだ瞬間であった。

ハチに寛容なスイーツ店と良い感じの刺繍屋さん


帰りにプラハの旧市街をブラブラ。途中甘い匂いがする店があった。トゥルデルニークというチェコの名物スイーツらしい。コロネのように巻いたパンの中にソフトクリームやチョコが載せられた、いかにも映えるスイーツ。おいしそうであったが、夕食を食べた直後なので今回は見送ることに。
ただ、驚いたのがハチの多さである。ミツバチと思われるハチがブンブンと店の中に入っていく。おそらく店内の砂糖やチョコが目当てであろう。ハチの給餌場と化した店内とスイーツを求める人の群れ。誰も気にしていない。ハチを駆除するということもない。動物に寛容な文化。

異国の文化を感じながら、再びブラブラしていると刺繍店を発見。店先に大きなミシンを置いて陽気な老人が一人座っていた。店内にはタオルやよだれかけなど多くの生地が並び、好きな生地を選んで言葉を刺繍してもらうというもの。ダダダダッと大きな音を立てながら軽快に文字を刻むミシン。刺繡に見惚れていた妻はハート型の生地を選んで名前を入れてもらいお土産としていた。外はまだ明るかったが、すでに21時。我々はホテルへと戻った。

旅の概要と全日程のリンク


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