見出し画像

世紀末はより熱く燃ゆ

さて、時は1999年。ノストラダムスの大予言に沸く世紀末。
雪月花こと私は12歳。小学6年生となりました。

この頃の私はというと相変わらずの図体のデカさの割に足りていないオツムで、小学校生活を何とか過ごしていました。

「何とか」というのは、ズバリ遅刻魔だったんですよね。朝に弱くて寝坊しまくり。。。
夜更かしもせずに普通に22時くらいに寝ても、翌7時を過ぎても全然起きられないというのがこの頃でした。
よーく寝たから大きな体に育ったのかも知れませんね。


そしてこの頃の私にとって思い出深い出来事というのが、地域の子ども会で活動していたソフトボールです。

私の住んでいた地域の子ども会では、男子は小学校入学と同時ぐらいでソフトボール活動に参加するというのが慣例になっており、毎週土曜日の朝9時からおよそ2時間程度がその練習時間とされていました。
秋には別地区の子ども会チームと対戦する大会なんかもありました。

しかしながら強制ではなく自由参加であったその活動に、野球よりサッカー派であり、なおかつ朝に弱かった私は小学校6年生になるまでその練習にすら行くことはありませんでした。

ところがどっこい小学6年生となった1999年春。私(週刊少年ジャンプに目覚めた頃)のクラスに一人の転校生がやってきたことによって転機が訪れることとなります。

彼の名はY君。1999年3月から私の住む地域に引っ越してきて、春休み明けから同じクラスになる少年でした。
何がきっかけだったか。いつの間にやら仲良くなったY君は生粋の野球少年でした。
しかしながら私達の通う学校には野球部といったものは無く、それに類するもので唯一あったのが子ども会によるソフトボール活動だったのでした。

春休み明けの登校日。始業式も早々に半ドンで帰路に就いた私達。Y君は私に向けて言いました。
「明日一緒にソフトに行こうよ!」
「おk」
転校してきてまだ友達の少なかったY君はきっと心細かったのでしょうね。サッカー以外殆どの競技未経験の私をY君は誘いました。
そして私は、家に帰るなりやったことの無いキャッチボールを父と練習するのでした。


翌日眠い目をこすりながらも楽しみが勝り、何とか時間に間に合うように起きる事が出来た私(この春から下着はブリーフからトランクスに変えた)は、なるべく動きやすい服装に着替え、父から譲ってもらったグローブだけを持って練習場となっているグラウンドに向かいました。


グラウンドに着くや、既にメンバーの殆どが集まっていました。約束を交わしたY君はもちろんのこと、同じ学校の友達、下級生達。
当たり前ですが6年生の私ですから、先輩は居ません。控えめに言って最高。

各自が適当に準備体操をして、いよいよ練習が始まります。
最初はキャッチボールからでした。前日に父からの熱血指導を受けていた私でしたから(父は野球も好きだったため嬉しかった様です)、同年代の子供放るボールなど簡単にキャッチ!この辺は難なく終えられました。

続いて守備練習が始まります。
未経験という事で、監督を務める近所のおじさんから「君は外野をやりなさい」と言われた私はレフトの守備位置に着きました。
そこで私は驚愕します。


「Y君!ピッチャーやっとるやんけ!」




ピッチャー。それはまさに野球およびソフトボールの花形ポジション。運動神経を認められたものだけが務めることを許され、誰もが憧れずには居られない、まさに主人公ポジション。私と同じ初参加組にも関わらずそのポジション(しかも後にエースになる)を認められたY君。さすがの経験者だったのです。

この事態に私のハートは一気に燃え上がりました。
いくら経験者とは言え、このチームでは同じ初参加組。負けられない!そんな気持ちがブワァーっときました。

奮起した私は必死になって守備練習をこなし、「初めてにして」はという冠詞がつきつつもそこそこの評価をいただき、続くバッティング練習に移りました。

ここで私の図体のデカさが爆発します。
そう。爆発したのです。パワーがね。
子供年代なものですから、体の大きさは=Power.
Power is Power.
打球を飛ばしまくりした。バットに当たりさえすればね。

さて、先程の守備連で熱くなった心と、打撃での成功体験を見事に積むことが出来た私はこの日からソフトボールにハマりこみます。
小学校でも休み時間と言えば100%サッカーをしていたところが、30%くらいはキックベースボールを、10%くらいはキャッチボールをする様になりました。
さらに家でゲームをする時も、RPG系が多かったところからパワプロをやる様に。多様性が生まれましたね(?)趣味に(??)


結局そこから私は毎週練習に参加し、6年生ということも相まって外野のレギュラーの座を勝ち取ることになるのですが、続きはまたそのうちに。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?