世界の広さは両手幅と背伸びした高さがあれば事足りる

世の中広いなぁとよく思う。
自分の生活空間からひとつ山を越えただけで見たことのない景色が視界いっぱいに広がる。
飛行機に乗ってみればあの高さで、あの速度で1時間とか飛び続けて着陸するほどの長い距離。
そして、自分とは今まで縁のない海外ともなれば、地球の広さは知る必要がそもそもないのではと思わされる程に無関係と感じる。
それだけの広さを感じながら、逆に自分の頭の中ではどれだけ狭い空間で人生を再現できるのか、なんてことを考えたりする。
人生は、実は1人プレイで自分以外の全てがイメージでしかないというのが実態だとしたら。
当然まわりにいる人達は、そこにいるように振る舞っている仮想の存在でしかない。見えるものは全てそう。触れるものは、その感触は、指先や皮膚の神経がそう錯覚すればいいだけで視覚とリンクして認識させるだけだ。自分が動いている感覚も同じ。
地に足がついてる感覚は重力で体全体が足元側へ押し込まれる感覚と足裏の接地する感覚を操作すれば、まさに地面に立っているかのように感じるだろう。
そう考えると、人間1人に必要な世界の広さは両手足を伸ばして届く範囲があれば良いのではないか。
移動するのも、そう感じればよいだけで自分が持つ五感以上の距離感なんて肌ではわからない。
そしてその感覚すら簡略化してまとめていくと、感覚を司る神経とそれを伝達されて処理、再現できる機能さえあれば、体自体も必要ないという事になる。
人間ひとりの存在と生活空間は、もしかしたら学校の玄関に並ぶ下駄箱サイズで事足りてしまうのかもしれない。

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