しあわせって、どこに?
山のあなた
山のあなたの空遠く
「幸(さいはひ)」住むと人のいふ。
噫(ああ)、われひとゝ尋(と)めゆきて、
涙さしぐみ、かへりきぬ。
山のあなたになほ遠く
「幸」住むと人のいふ。
カール・ブッセ(上田敏訳)
せつなくて、悲しくて、美しい詩ですよね。
子供の頃、国語の教科書で初めて読んだとき
『ああ、山のむこうへ行っても「幸」はないんだな』
と直感的に思いました。
『じゃあ、しあわせって、どこにあるんだろう?』
と思って、
しあわせってなんだろうって、
20~30年生きてきて、やっと、
『ああ、しあわせは、今、ここに』
大切な家族がいること
おいしいご飯が食べられること
あったかい布団で眠れること
とっても幸せ。
文字を打てる手があること
ものを見れる目があること
音楽を聴ける耳があること
どこへでも歩いて行ける足があること
全てがありがたくて、幸せ
幸せの定義はないから、
自分が幸せだと思ったら、幸せ。
条件付きの幸せはないんです。
なので、もっと上級者は、
孤独で借金まみれでホームレスで食べるものにも困って
手足が不自由で耳も遠くなって
それでも
今、ここに生きているだけで幸せ
と思えるんだろう、なぁ。
わたしはまだまだ修行がたりません(笑)
それには到底たどり着けないけど
今が幸せだと思えるようになって、幸せ。
あの詩を読んだときの幼いわたしに教えてあげたい。
今は心細いけど、あとでわかるよ
しあわせは、ここにあるって、わかるよ
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