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垂直性骨吸収にご注意を!

こんにちは!歯科医師Hachiです。

今日は少しマニアックなお話です。

歯は、歯槽骨(しそうこつ)と呼ばれる骨に埋まっています。

そしてこの骨が溶けてしまう病気が歯周病(歯周病)です。

骨の溶け方も、水平的に溶ける時と垂直的に溶ける時があります。

水平性骨吸収は、上の写真のように全体的に骨が下がってしまいます。

それに対し、

垂直性骨吸収とは、上の写真のように部分的に縦に骨が溶けている様子です。

今回は、この「垂直性骨吸収に注意してください!」という話です。

その理由は「喪失率」です。

上の図のように、10年後の喪失率を調べた論文があります。

これによると、垂直性骨吸収がある歯の方が圧倒的に歯を失う確率が高いことが分かります。

こんなことを話してますが、実際に症状が出ることは少ないですし、そもそもレントゲンを撮らないと発見できません。

そして、もし垂直性骨吸収が発覚しても改善方法は「再生療法」という手術しかないので、基本経過観察で様子を見ることが多いです。

この再生療法は、うまくいけば歯を保存できる素晴らしい治療なのですが、難易度は高く、すべての歯医者さんができるわけではありません。

そして、歯医者だけの頑張りだけでは治らなくて、患者さんの歯磨きの仕方も重要なので、

頑張ってくれる患者さんじゃないと、そもそもこの治療は適応できません。

それだけ対応が難しいので、経過観察することもしばしばあります。

こういった再生療法を含め、なるべく歯を保存する治療を望まれるなら、歯医者の選び方としては、「歯周病専門医」の資格を持っている歯医者さんがいる歯科医院を選ぶことをお勧めします。

歯医者と言っても、得意不得意は千差万別です。

インプラントが得意な先生、入れ歯が得意な先生、抜歯が得意な先生、、など、それぞれ得意分野が分かれます。

ですので、再生療法に関しては歯周病の分野なので、歯周病専門医の先生をお探しするのがいいでしょう。

たとえ専門医の資格がなくても、歯周病の治療が得意な先生はたくさんいらっしゃいます。

その場合は、ホームページやSNSを見てみてください。

大抵、得意な治療は一番目に留まるところに書かれているはずです。

そういったことを目安に歯医者さんを探してみてもいいかもしれません。

最後までお読みいただきありがとうございました。

明日もよろしくお願い致します。

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