水際対策

「他の法人口座は持ってないですね…」
その社長は差押間近でしたが、他に口座を持っておらず、このままでは給与が払えなくなると戦々恐々でした。

そもそも口座差押って具体的にどんなプロセスで進むのでしょう?

債権者が銀行の場合、自社の預金口座は半永久的に凍結となります。
裁判所の許可も不要なので迅速ですし、これには対処の仕様がありません。

では債権者が民間企業なりの第三者による口座差押だったらどーでしょう?
通常は裁判所に差押許可をもらいます。
その後、債権者側で対象の銀行を指定し「法人〇〇の口座を差し押さえろ」という特別送達を裁判所経由で銀行に送ります。
銀行が特定できない場合は、対象の法人の拠点の近隣を列挙して「数打ちゃ当たる」作戦で送達をするイメージです。これにかかる費用は銀行一行あたり「8000円」。

そして送達を郵便局から受け取ったその日に、銀行は対象口座の預金を差し押さえます。差し押さえはその日だけですので、翌日には口座が復活するイメージです。

この社長はウルトラCに出ました。
通常は預金口座を0とし、どうしても入金が必要な日には前日の18:00以降に入金。18:00以降は郵便局が稼働しないので、送達が届くことはありません。翌日の朝8:30には支払い先へ自動送金されますから、郵便局の送達が届く9:30までには口座の中は0という流れに。

こうして差押対象の口座を使って会社の経営を維持したのです笑

まさに水際対策です笑

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