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絵画のように(渋峠にて)

写真を勉強し始めたころ、カメラの特性が分かって、次に「やはり構図だよね!」と気づいたとき、絵画をよく見ました。絵画展に行ったり、絵画の本を買ったりしました。
カメラのようにバシバシ撮るというようにはいかない絵画は、現地で下絵を描き、アトリエでイメージを浮かばせて、作者の内包するイメージと融合させ、キャンバスに表現していくので、しっかりした構図(画面構成)が求められます。
写真を撮るときも、安易に撮るのではなく、画面構成が瞬時にできるようにと想ったのです。
その頃から写真を撮るときに、「絵画を描くように撮る」ということを心掛けるようになりました。

さらに、表現ということから、絵をできるだけ単純化してみようとも想いました。例えばこのような写真です。
写真は、光で絵を描くものですから、光がまんべんなく注がれている時ではなく、トワイライトや月の光など、光量が少ないときに狙ってみるとイメージに近くなります。

ところが、写しただけではそのイメージからは離れる場合が多く、画家が絵をアトリエで描くように、写真家はレタッチによって仕上げるという作業が必要だと思うのです。

月光彩霧

例えばこの写真、夜、月の光、霧。
霧があったことで、月の周りはボヤけて写ります。その霧が微かに色味を帯びているので、少し色味を濃くすると、霧が月の光で虹のように見えてきます。

※できればパソコンで少し周りを暗くして観ていただけたらと思います。スマホでも、暗いところで観ていただくと、濃淡の微妙さを感じることができます。

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