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そういう中でしか生きられないんだよ。

どこまでも広がる青い空と底までも透けて見えるような透明度の海。
色とりどりの熱帯魚、サンゴ。
そんな光景を以前伊豆で見たことがある。
1万円くらいのダイビング体験に当時、「仲良く」していた女性と行った。
もう20年近く前のことで、その美しさに彼女は感動してはしゃいでいた。

その時の私の心境は「きれいすぎる」と冷静になっていたのをふと思い出した。
熱帯魚がきれいなのには理由があるのだろうか。
水が澄んでいてよく見えるから、つまりは周りからよく見られるからあんなにきれいに着飾っているのかもしれない。しかし実際にはキレイすぎる水では生きていけない魚もいる。

私は多分そういうタイプだ。
だから惹かれる相手もどこかそんな淀みを抱えているのだろう。
いくら純愛を謳っても、世間的には淀みのある恋愛である。
他の誰も見てくれなくても、薄暗い水の底でも地味な灰色の光沢ある鱗をキレイと言ってくれる人がいればそれでいい。

そんな中でしか生きていけないのだから。

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