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今回のマリオカート8デラックスのVer.3.0.0アップデートに関する考え

こんにちはGoppaです。
ついにマリオカート8デラックスコース追加パスの〆となる第6弾、Ver.3.0.0アップデートが配信されました。
僕は学校があったので最速プレイはできてませんが一切情報を遮断した状態でプレイに入ったのでコースは楽しむことが出来ました。特にWii虹とか走っててめちゃ楽しいですね^^
その一方で、同時に実装されたアップデートが物議を醸しています。それが、パッチノートに公開されたこちら

パッチノートの中の一文

どういうことかと言うと、アイテムボックスの付近で停止して何度もアイテムを割り続けると、アイテムが弱くなるというものです。これにはマリオカート界隈全体で激震が走ったと思います。
マリオカートでは単に1位逃げだけのゲームにならないよう、アイテムによって逆転が出来るようになっています。そしてそれは、時として最下位付近の下位プレイヤーでさえも、ごぼう抜きでトップを狙えることがあるのです。
特にコースによっては、アイテム交換すると同時にスターを使用することでその付近にあるショートカットに突っ込み、アイテムで出した強いアイテムを一気に前に持って行けたり、特定の場所でキラーを使用することで通常時より長くキラーが継続する、ロングキラー(ロンキ)が存在します。
これらを利用してプレイヤーの中には敢えて下位に下がって強いアイテムを回しながら立ち回り、最終的にそれによって1位を目指す戦法を使用する者もいます。この戦法を打開と呼びます。
打開はコースによって適性があり、打開は弱いコースもあれば極端に強いコースもあります。
後者では、大半のプレイヤーが打開に回って、初手アイテム付近でたくさんのプレイヤーが停止してアイテム厳選をするという光景が見られていました。

GBAスノーランドは打開が強いため、多くのプレイヤーが初動でいきなり停止してアイテム厳選をする光景が見られる。

しかし、停止や逆走がタブーとされた以上、もうこうした光景もみられなくなるでしょう。とはいえ停止などせずとも、ちんたら走りながらアイテムを割り、上手いこと厳選出来れば打開はできそうです。
上がるポイントが重要になってくるためそれを見極める能力が問われます。ちょっと難しくはなりそうですが慣れてきさえすれば打開は不可能ではないでしょう。
問題は緊急打開と言われる部類の打開です。緊急打開とは、上位或いは中位で2周目後半から3周目始まりにかけて被弾し、下位プレイヤーが迫ってきている中で急遽下がって強いアイテムを調達する打開のことです。
このゲームは中位(5~8位にかけて)が最も弱いとされています。出るアイテムの幅は広いものの、基本的には緑3、赤1、赤3、パックン、ブメ、ボム、そして加速系ではキノ3やキノ1、たまにスターと言った感じです。
そしてこれらのアイテムを周りも引くので、この順位帯では緑3や赤、ボムが容赦なく降り注ぎます。稀に後ろから来るスターやキラーも襲い掛かります。そして無敵は出にくいため基本的に被弾をケアしづらいのです。
その位置で無理矢理耐えようとしても限界があり、基本的に被弾で下位に落ちてしまうビジョンが見えています。それなら先に下位に下がって強いアイテムを素早く調達し、特に荒れる最終盤をスターでケアしながら上がれるようにする。これが緊急打開です。
しかし、この緊急打開は概ね6位付近から、9位付近へ順位をわざと落とすために停止する必要があります。またアイテムを調達する位置は基本的に3周目最初のアイテムですが、ここはシングルアイテムボックスしか置いていない場合が多く、特に"完成"と呼ばれるキノ3スターや、"逆完成"と呼ばれるスターキノ3を調達するためにアイテムを2個割る必要があります。そのためにはアイテムボックスで停止せざるを得ず、先程の条件に引っかかって従来のようなアイテムが引けなくなり、緊急打開が効きにくくなる可能性があるのです。
しかし基本的にアイテムの下振れリスクは高いものの、2個割るぐらいであれば完成はそう難しくないことは証明されています。あとは運の問題かもしれません。
また、3-1がダブルである場合の多い都市コースやセクションコースの人気が高くなり、緊急打開をすることが十分考えられるコースは廃れる可能性もあります。
あとは、交流戦の戦術がより問われるようになるかもしれません。サンダーを粘れなくなったので、誰かがスパッとサンダーを引くしかなくなります。一方サンダーを引いたあとでも、停止して強いアイテムを引くのが難しいため中位が止まって無敵を調達しに行くのが困難になる恐れもあります。そのため、運搬を早めに前に作っておく、回避が多くなるよう9位割りに人数を割く、こうしたことがより求められるでしょう。

一方、このアイテムの仕様変更以上に僕が納得がいっていないのは、最近の任天堂のキャラステータス調整の姿勢です。
任天堂は第3弾以降、アップデート配信の内容にキャラやマシンパーツのステータス調整を含むようになりました。第3弾では被弾後に一定時間あらゆる被弾が無効になる無敵時間がキャラマシンの組み合わせで変動するようになり、第4弾ではついに既存のステータスにもメスが入れられました。その結果中量級の中でも比較的軽量級に近い側のキャラクターはスピードとミニターボ値が上昇し、それまで界隈で使われていた環境カスタムのワルイージハナチャンバギー、通称悪花を淘汰しました。これによってマシンの加速時間が上がり、すぐにスピードが出てすぐにドリフトがかかるようになりました。そしてミニターボ値が上がっているためすぐ掛けたドリフトからすぐにミニターボが出るようになり、被弾しても耐えやすくなりました。特にヨッシー、デイジー、キャサリン、ピーチなどが新たな環境として君臨することになりました。
この調整自体には驚いたものの、全体的に走りやすさは格段に向上したと思います。が、問題だったのはそこからです。
第5弾のアップデートで、環境として君臨した筈のヨッシー帯にナーフが掛けられ、無敵時間が削られました。折角性能を上げたはずのヨッシー帯を弱体化するのは、どうも矛盾を感じます。そして第6弾ではキャラのステータスこそ弄られていないものの、マシンのくまライドやトルネードの無敵時間を大きく削られ、そらまめやパタテンに次ぐ無敵時間の短さとなりました。そして、任天堂の姿勢が明らかであることを決定づけるのが、タイヤのステータス調整です。

タイヤパーツのステータス一覧

こちらは最新のタイヤパーツのステータスです。MKB式と呼ばれるマシンステータスの計算式は、キャラ毎に割り振られたベースステータスから、マシンパーツ毎のステータスを足し算し、算出します。この時マイナスステータスになっているものは引き算になります。
それはさておきタイヤのステータスを見ると、ローラータイヤ系やブロックタイヤ系以外全てのタイヤの無敵時間が向上しました。任天堂は表向きにはステータス向上としていますが、こんだけ大量のタイヤのステータスが上がっているのなら実質的にはローラーとブロック系のステータス低下と同じことです。更に、ステータス上では無敵時間についてはマイナスステータスなのがローラータイヤ系のみで、あとはプラス或いは0となっています。しかもそのマイナス量は-0.75とかなりの異常値です。
もうお分かりですよね。任天堂がローラータイヤを狙い撃ちしていることに。恐らくヨッシー帯へのナーフ措置も、くまライドの無敵時間削減も、環境マシンの狙い撃ちというのは他のキャラマシンへの修正内容からも明らかです。
特に無敵時間はマリオカート8デラックスの特徴で、従来に比べてかなり無敵時間が長いのです。マリオカートWii時代は、無敵時間なんてほぼ0ですからね。
反面、マリオカート8デラックスは攻撃系アイテムのスピードが速くて避けづらく、展開系アイテムも防御が従来作品に比べてかなり雑魚いのです。
その中で無敵時間を削るというのは、デスコンの要因にもなります。従来では無敵時間で無効化できた攻撃が被弾判定になるので、1位でトゲ軽減をしたくても、中位でデスコンを食らっても、下位でどこからともなく飛んできた反射緑も、全部が辛いのです。
1年ほど前に出たデータとして、世界で最もストレスの溜まるゲームランキングでマリオカート8デラックスはランキング1位に君臨しました。なんと素晴らしい(?)。
いやいや、ただでさえストレスの溜まるゲームを更にストレスを溜まるゲームにしてしまったのではないか?なんて思ってしまいます。
それはさておき、任天堂が環境キャラを狙い撃ちしている点について、これが僕はいちばん納得いかない点です。
マリオカートWiiやマリオカート7、マリオカート8の時にも環境キャラが存在しました。それぞれファンキーコング&スーパーバウザー(ファンバウ)、メタルマリオ&Bダッシュ&ワイルドレッド(メリオB誰)、モートン&ブルーファルコン(BFモートン)です。
これらは一切任天堂によって何か狙い撃ちされて環境が崩されたこともなければ、ステータスを削られたこともありません。任天堂のアップデートによって環境が崩されたのはマリオカート8デラックスのワルイージ&ハナチャンバギー(悪花)が歴史的にも初めてなのです。
マリオカートの歴史上キャラが固定化されてしまうのはごくごく普通のことで、マリオカートの特性上でも仕方がないことだと思っています。その理由についても喋りたいですが、今回の話の趣旨から大きく逸脱するのでまた別の話題で取り上げたいと思います。

ワルイージハナチャンが大多数を占めているスタート画面。残るロイも、性能的にはワルイージと同じであり、ここでは全員が同じ性能のマシンを使っている。


新規層からすれば無関係のことではありますが、これまでマリオカートをやってきたコアな層からすると、これまでの環境には何も対策をしてこなかったのに、この期に及んで環境を狙い撃ちして防ぎに来ていることに違和感があります。
従来のゲームではそれが出来なかったのではとも言えそうですが、それはないでしょう。
マリオカートWiiは兎も角、マリオカート7時代には発売当初、一部のコースで特定の箇所から落下することでジュゲムの復帰位置がバグって大きくショートカットになってしまうことがありました。これを受けて任天堂は更新データを配信し、インターネットプレイではこれらのバグができなくなりました。更新データがダウンロード出来ていないとオンラインプレイ自体不可能になっているため、インターネット対戦でのこのバグは完全に解消されたと言っていいでしょう。
この時は"インターネット対戦"でのみ修正され、タイムアタックやCPU戦ではそのまま残った形ですが、その気になればタイムアタックやCPU戦でも修正はできたはずです。ちなみにこの発売後の更新データ配布はマリオカートシリーズで初めてのことでした。昔のゲームでは難しかったバージョンの更新も、技術の進化によりできるようになったのですね。
これが出来るのであればメリオB誰の環境を修正することも出来たはずですが、それがされることはありませんでした。
そしてマリオカート7以上に深刻だったのがマリオカート8。発売後すぐに左右にドリフトを小刻みに続けることで通常より速くなるバグ技、サンダードリフト(サンドリ)が発見され、それが出来るカートマシン、そしてスピードが高いほうが効果も大きくなるためスピードに振ったマシンとなります。最終的にBFモートンに落ち着きました。
しかし任天堂によってBFモートン環境は勿論サンドリが修正されることもありませんでした。そのためマリオカート8は比較的実力差の出るゲームとなってしまい、そのせいか本作品はマリオカートシリーズの国内売上通算2000万本目を達成するなどの明るい話題もあったものの、売上的にはマリオカート7やマリオカートWiiには遠く及びませんでした。もっともこれに関してはハードのWiiU自体が販売不振だったことも理由の一つかと思われますが。 
7のバグも酷かったですが、8のサンドリはもっと酷いバグです。なんなら現在の8デラックスに存在するめいずグライダーもその類です。
今までキャラが1色に染まってしまうのを散々放置していたくせに、8デラックスに限って修正しに来るのは、どうも納得がいかないわけです。しかも、修正内容の無敵時間の削減が軽微すぎて全然効果はありませんし、むしろ無敵時間が減ることにより被弾に対するストレスがまた増えて再びストレスの溜まるゲームになりつつあります。
任天堂としては第3弾の無敵時間調整で悪花を消し去りたかったのかもしれませんが、その程度では実際消えないものです。
とはいえ頻繁にステータスの調整をすると、特にスピードやミニターボ値などのステータスはTAのタイムに直結する部分なので、修正の度にタイムが変わるだけでなくまた走り直しになるほか、最悪一から走法を組み直しになる場合もあり得ます。
とまあ、ここまで文句ばかり垂らしましたが今回のアプデで良いと思った点も話します。
今回のアプデで一番良いと思った点は、ルームIDシステムの追加です。これまでマリオカートで特定の人とレースをやるためにはその人とフレンドになって、片方がフレンド部屋を開いて合流するしかありませんでした。直近で対戦したライバルへ合流はできましたが、大した使い道は無いです。
特にラウンジや交流戦などの模擬でもわざわざフレンドコード公開、11人分承認、部屋opの手順を踏む必要があり、これらを多くやる人は余計にフレンドが増えるという問題があります。そのためフレンドを定期的に削除する必要があるのですが、それによって永久的にフレンドとして残したい人を誤って消すなどの弊害もあります(ちなみに僕はそうした人をお気に入りに設定しておくことで誤って消すのを防いでいます)。
しかし今後は、op後に表示されるIDをチャットで伝えるだけで承認の手間が不要になります。また、ホストと既フレの人は従来と同じように合流出来る点もいいです。
問題点としては、部外者が以前より容易に乱入できてしまう点です。
2つ目はWii虹の落下時のエフェクトが残ってたことです(めっちゃ個人的っっっ!!!)。
では〆に入ります。
X(旧Twitter)で、最下位でアイテムを割ったら普通に割ったのにも関わらず緑1トゲが出たという動画が話題になっています。現時点ではアイテムが弱くなる条件は停止したり逆走したり止まりすぎたりと曖昧な表現になっているため、詳しいことは分かっていません。しかし詳細を明らかに出来ない限り安心してレースができないのが気がかりです。自分も全てが判明するまではとりあえずVSは控えめにして、代わりに今回のDLCのコースを理解するためにもしっかりTAやっておこうと思います(第5弾めちゃサボったからね)。もしあまりに問題やプレイヤーの反発が大きくなってしまうようであれば流石に任天堂も何かしら対策をしてくるでしょうが…
僕自身の考えを申し上げますと、停止がしづらくなった件については気がかりなところはあるもののやや賛成ではあります。特に停止スターやバガー、回線落ちを防げるという観点では比較的有義だと感じるからです。しかし、こういったものは条件をしっかり明確にしてくれないとやりづらいのも確かです。曖昧な基準で、ましてや停止などの基準が運次第なのでは、それこそマリオカートの面白味は消えてしまうのではないでしょうか。
あえて下がって強いアイテムで勝ちに行く、それが他のレースゲームにはない、マリオカートの特徴であり、面白さを増している要因でもあります。それを無関係な理由で取り上げられるというのは、マリオカートプレイヤーとして、そして一人のマリオカートファンとして、許すことはできません。
果たして今後マリオカートはどう変わっていくのでしょうか。そこが今から楽しみです。

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