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私のほっぺのキスマーク

次女にほっぺを吸われる寝かしつけになり、
どれくらいたっただろうか。
ちゅぱちゅぱ舐めている日もあれば、おっぱいを飲むかのように吸っている日もある。
それでも、授乳の寝かしつけより楽だなぁなんてのんびり考えていた。
…私のほっぺにキスマークができるまでは。

その日はいつもより吸う力が強く、ぢゅっぢゅっと力強い音がしていた。
最近は下の歯が生えてきたこともあり、下唇のあたりには硬いものもあたっている。
今日は本当のおっぱいのほうが良かったかしら?
そんな風に思いながら眠りに落ち、翌朝起きてパパと顔を合わせると、
開口一番「目の下、どうしたの?」と心底驚いた顔で言われた。

慌てて鏡を見ると、目の下、右ほっぺ上部のまさに昨日次女が吸っていたあたりが紫色になっている。
唇の形をした内出血の痕だった。
なるほど、昨日の吸引力は、内出血レベルね。(どうりで痛いはずだ)
こんなことも起こるんだなぁとひたすらおかしくて、
「ママ、ほっぺどうしたの?」と繰り返す長女に笑うことしかできなかった。

幸いマスクに隠れるような位置なので、外出はさほど困らない。
オンラインコミュニティ仲間に早速面白おかしく伝えてみた。
すっかり鉄板ネタとして味をしめた私は、
今日は支援センターのママに話してみた。

そしてちょっとだけ、後悔することになる。
マスクをずらしてその痕を見せると、そのママさんは少し引いていた。
「あ、これはちょっとマズかったかも」とすぐに隠して
いかにこれが面白かったかと話を盛り上げた。
そのママさんは笑ってもくれたけど、
このキスマークは間近で見るとちょっとグロテスクなのかもしれない。

もしくは、週に1回支援センターで会うママさんに対して「私」という人間の情報開示レベルが低くて、「何言い出したんだこの人」と思ったのかもしれない。
オンラインで会うメンバーは何度か顔を合わせているので、私の人となりをわかってくれる人との差が、如実に出たという話だろうか。

育児話も時と場所を弁えないとな。
なんてちょっぴり反省しつつ。
鏡を見るとそこにあるこのキスマークを、
治ってしまったあとも忘れないんだろうな、と思っている。



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