見出し画像

汝、星のごとく

題名: 汝、星のごとく
著者: 凪良ゆう

久しぶりに小説を一気読みした。
友人がオススメしてくれた、今年度の本屋大賞受賞作。
こんなふうに今、特に注目を集めている作品を読むことも久しぶりだったし、
ドラマを観るような感覚でドキドキしてページをめくったのも久しぶりだった。

瀬戸内の島が舞台のこの物語は、
ヤングケアラーやSNS炎上、LGBTQといった論点へのスポットも当てながら、一つの物語として紡がれている。
といっても振り返ってみたら、そういう視点でも語れる本だったという感じで、
その織り交ぜ方が不自然でないのがすごい。

最初の情景描写のインパクト。
最後に同じ情景描写が繰り返されるのに、
物語の最初と最後では全然印象が違ってくる。
私はこの物語のメインメッセージを『自分の人生を自分で舵取りすることの大切さ』だと感じたけれど、
そうすることで得られる幸せは、
自分の物差しで測るから揺らがないということも伝えてくれていると思う。

と、ここまで真面目に書いたけれど、
なんとなくこの物語に流れる空気というか
モノローグや登場人物の構成が似た作品あったよな、と記憶をたぐってみると、
高校時代にどハマりした「僕等がいた」だったことに気づいて、ちょっとしたアハ体験だった。
特に男性主人公の性格とか、母親のふわふわしてる感じとかが気づいてみると重なっている気がする。

なんて、少し茶化してしまったけれど、
最後の女性主人公と私は同年代。
このタイミングで読めて良かったなと思ったのでここに記しておくことにする。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?