小さな人

1997年12月6日(土)
車の窓が大きくあいていたので雨の空を見上げた。水墨画の松のような空だった。小さな人になって見上げている気持ちになった。
「松の陰にいるみたいだね」
雨がやんだ。
歩いて帰れる。
連れの一人は少女で、絵馬のことを話していた。「帰り道、神社を通るのでしょう?」とも。
「通るよ。だから絵馬は大丈夫」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?